表彰のこと(3)

CA3I0915
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(丹沢のアカヤシオです。M氏から頂きました)

表彰のアピールポイントについて、もう少し詳しく書きます。

私が藤沢労働基準監督署の安全衛生課長をしていた時に、管内のヨーグルト製造業者を「局長奨励賞」の対象に推薦したことがあります。
その会社は最終的に「厚生労働大臣優良賞」まで受賞しましたが、その会社のアピールポイントは「ドライフロア」です。食料品製品製造業は災害多発業種であり、その中でも「すべった転んだ災害」が多いものです。そこで、この会社では「転倒の原因となる床の湿潤化」に着目し、ドライフロア化に取り組みました。例えば、外気と温度差があるパイプの全個所に布をまく、蒸気の排気箇所を設置する、バルブ箇所には必ず水滴防止措置を施す等です。こう記載すると簡単なようですが、床を滑らなくするために、工場の何千もの箇所を特定し、それに措置を施した工場担当者は、本当に凄いことをしたと思います。
元々、工場見学には積極的な会社でしたが、ヨーグルト目当てに来場する家族連れ以外にも、この設備を目当てに来る技術屋さんも多いと聞きます。実際私も、他署に転勤した後で、この工場の見学を災害多発の事業者に薦めたことも何回かありました。

このように、表彰のために重要なのアピールポイントについてですが、署から局に推薦が挙がってくる時に、あまり強調されてないケースも多いのです。つまり、署がアピールポイントというものを強調せずに、単に「何年間も災害が発生していないから」といった理由で推薦されてくるのです。これは、その署の業務多忙が最大の原因ですが、書類上の数字に気を取られ、推薦会社の長所を見落としていることは、署の姿勢として非常に残念な場合があります。