ブラック企業とモンスター相談者(1-1)

CA3I0548
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(M氏寄贈)

このブログを初めてから約4ヶ月たちましたがついにここまで来たかという思いです。
私は、今年の3月に32年間勤務した地方労働局を退職しました。退職前の数か月間に、自分が在職した期間の出来事を、「司法」「申告」「災害調査」・・・等の項目に分け、年度別に書き出してみました。すると、そのエピソードは1000近くとなり、当分ブログネタには困らないと思いました。
その1000近いエピソードについてですが、その大部分がこの「ブラック企業とモンスター相談者」についての思い出です。
このテーマでブログを始めると、何ヶ月たっても終わらないんで、適当に区切ります。今回は「第1章」です。

私が労働基準監督官になった時に先輩から言われたことがあります。それは、次のような言葉です。
「君は民間企業経験者ということで、役所の業務に色々戸惑うこともあるだろうと思う。総じて、役所組織という民間組織よりも甘いものなのかもしれない。だけど、これだけは覚えておけ。役所の窓口というのはクレームの嵐だ。特に、ウチの役所は労働者からも事業主からも、目の敵にされる。労働者からは、仕事をやっていないと言われ、事業主からは横暴だと言われる。ひどい場合は、両者から同時に訴訟を起こされるケースもある。
とは言っても、まだ定監の場合はいい。世の中には、こんないい会社があるのかといった、優良事業場に会えることもある。
(注)定監とは
労働基準監督官の仕事のなかで、その時の社会情勢等
から「テーマ」を見つけ実施される臨検監督。例えば、
「社会福祉施設の労働時間が長い」ということが社会
的に問題にならば、「従業員50人以上の社会福祉施設」
に監督実施というように、ある意味行き当たりばったりで
行う監督。監督官としては、けっこう余裕をもって行え
る監督で、「いい人」「尊敬できる人」と出会えることも
あり、けっこう楽しいこともある。