ブラック企業とモンスター相談者(1-3)

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(「シラカバと青空」 M氏撮影)

残暑お見舞い申し上げます。
「ブラック企業とモンスター相談者」という章なんだけど、あまりの暑さに一言いいたくなりました。

思わぬ労働災害が起きるのが、年末年始とお盆期間中です。これは本業が休みの期間にメンテナンス等をやってしまおうという現場の要求で非定常作業が多く発生することと、休業期間前の駈込み作業及び休業明けの非定常の準備作業が原因と思われます。

しかし、思い出します。労働基準監督官の現役の頃は、お盆の前に「一斉パトロール」とかいって、自転車に乗って、各建設現場を回ったもんです。
50代はさすがにキツくてしなかったけど、40代半ばの横浜西署の課長をやっていた時までそれをしてました。ギランバレーで体を壊して以来、歩くこともままならず、自転車にも乗れず、今じゃ、エアコンの効いた部屋でこのブログをアップするのが精一杯だけど、昔は「熱中症」なんて言葉は自分には関係ないと思っていました。若くて健康だと、それが本当の宝だと思う今日この頃です。

もし、この文書を読む現役の監督官や技官の方がいたら、暑さに負けることなく、お仕事頑張って下さいというエールをおくりたいと思います。後20年たてば、炎天下の下で労働災害防止のために、汗だくになった日々のことを必ず思い出します。

このお盆期間中及びその前後に、各工場、建設現場で災害が発生しないことを祈ります。

さて、本章の「ブラック企業とモンスター相談者」の話に戻ります。

その申告は、一通の郵便から始まりました。
ある大手の航空会社が事実上倒産し、多くの人たちがリストラされました。操縦士、整備士といった専門性の高い業務に就いていた人たちは、前職を生かし再就職できた人も多かったと聞ききますが、再就職が難しかったのは、事務職の人や関連会社で営業や販売を行っていた人たちでした。
関連会社で販売の職に携わっていた20歳代後半の女性が、Y駅の地下に出店してあるケーキ屋さんに再就職をしました。Y駅の地下に出店するため、人材を募集していたのです。そこのケーキ屋さんは、大阪が本店で、大阪商工会議所でも役員をしている、一見「しっかりした会社」のようでした。