メンタルと過労死(6)

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

(私の飼った、一番美しい猫です。19歳になるまで生きました)

今回はストレスチェックの一般的な説明です。

「心の健康診断」であるストレスチェックは、被験者(労働者)が、例えば「あなたは最近眠れますか」等の質問に答え、自分が高ストレスに晒されているかを知るための診断です。高ストレスに晒されているかどうかであって、「鬱病となっているか」どうかを知る診断ではありませんが、「鬱病にり患しやすい状態であるかどうか」の目安とはなります。
 
第1
ストレスチェック結果を事業主が知ることはなく、被験者と実施者(通常は産業医)のみ知りえます。また、実施者は、被験者の秘密を守る義務があります。

第2
従って、事業主はこのストレスチェックを実施しても、労働者の誰が高ストレスか判断できないため、直接的には労働者の「自殺」等を止めることはできません。
ここが、一般健診と一番違うところで、一般検診の場合は、事業主はその結果を知りえる立場にあるので、例えば「高血圧の者」等について、産業医と相談し、必要であれば、残業を控える等の措置をしなければなりません。

第3
実施者は高ストレスの者に、産業医との面談を勧めなければなりません。産業医は、面談時に、被験者の同意を得れば、「被験者が高ストレスに晒されていること」を事業主に通知し、職務上の配慮を求めることができます。この時点において、初めて事業主側は、個々の労働者に対する安全配慮義務が発生します。

第4
事業主は個別労働者のストレスチェック結果を知ることはできないが、集団的分析は可能です。つまり、どこかの課に特別に高ストレス者が多数いるかどうかは分かる訳です。それが、「長時間労働」によるものであるかどうかを分析する必要があります。

(注) ストレスチェックの実施については、法令では従業員50人以上の事業場に義務付けられている。ストレスチェックをしかことのない者が実施したのと望むののであれば、「心の耳」(厚生労働省のポータルサイト)で、無料で実施することが可能です。