普通の日記(29年7月14日)

(三国街道須川宿付近の野菊、by T.M)

「長時間労働規制の問題点」を書いていましたが、平成29年7月現在、のんびりと長年温めてきた題材をブログに書いていくより、時事問題として、すぐに書いた方が良いというような話題が、世の中に山積していることに気付きました。そこで、「長時間労働規制の問題点」を一時中断し、日々の日記を書くこととしました。

私が最近一番気になったのは、次の新聞記事です。

「 大手広告会社の電通(東京)が社員に違法な残業をさせていた事件で、残業時間を月に50時間までなどと定めた同社本社と電通労働組合東京支部の労使協定(三六協定)が無効だったことが7日、東京地検の捜査で分かった。労組が労働者の過半数で組織されていなかったためで、電通幹部は三六協定が有効だったと誤信していたという。」(産経新聞、7月7日) 

これ大事件です。これが事実なら、36協定が無効であったのですから、すべての残業が違法残業ということになってしまいます。(まあ、それが「誤診」ということで刑事罰にはならないのは理解できますが・・・) 

問題は、36協定でなく、就業規則です。就業規則の有効性についても、過半数労働組合の存在が影響されます。

就業規則は「過半数労働組合の代表の意見書の添付」が必要となりますが、その意見書の添付がなくても、「就業規則の内容が労働者に周知されている」条件が満たされていれば、就業規則は有効です。 しかし、今回「過半数労働組合に達していなかった理由」として、会社側は「正規職員だけなら過半数労働組合に達するが、非正規職員が増えてしまい、結果として労働組合は過半数割れをしてしまった。」と説明しています。 

電通は、非正規職員であるパートタイマー労働者にも、正規職員の就業規則を開示しているのでしょうか。通常の会社では、クラウド等を利用し、正社員には就業規則を開示していますが、パートタイマー等には、そのシステムに侵入できないのが通例のはずです。 

だとするなら、もしかしたら、電通の就業規則は、「過半数労働組合の意見書の添付がなく」かつ「全職員に周知されていなかった」という可能性もあります(これは、私の憶測であり、ひとつの可能性の提示です)。 

そうであれば、就業規則は無効となり、就業規則が無効の期間中に、例えば会社が行った、「解雇処分」等は、すべて無効となってしまう可能性があります。