普通の日記(29年8月25日)

(乙女高原に咲く花part4、by T.M)

沖縄労働局が、残業代未払いの事業場の社長及び店長を逮捕したそうです。労働局が残業代不払で逮捕したのは、平成になってからは初めてだそうです。確かに、私も「逮捕」ということは、あまり聞いたことがありません。 

世間的には、「被疑者が悪質だから逮捕される」というように思われているようですが、それは誤解です。犯罪行為において、被疑者が悪質であるかどうかを決定する権限を持つのは裁判官のみです。そして、犯罪行為の刑罰とは「罰金」「拘留」「禁錮」「懲役」「死刑」だけです。 

「犯人が悪質だから逮捕」ということになると、逮捕を行う警察機関が「悪質であるかどうかを判断し」、そして処罰するということになります。裁判を行わずに行政機関がこのようなことを自由できる社会は、それこそ究極の強権国家ということになってしまいます。

労働基準監督署を含む警察機関の司法処分の役割とは、「証拠物、証言を収集し、犯罪事実を特定し、裁判所に起訴権限を持つ検察庁に書類送検すること」です。 

「逮捕」「強制捜査」とは、この一連の司法手続きの流れの中で、障害がある場合のみ、裁判所の許可を得て、警察機関が行うことができる行為です。つまり、被疑者が「逃亡の恐れがなく」「証拠隠滅の恐れがない」場合は逮捕等はできないのです。 

さて、今回の沖縄局の逮捕についてですが、労働局ではその詳細及び逮捕理由を公表していないようです。ただ、「2年間で残業代約500万円不払」「度重なる指導にも従わず」ということです。

ブラック企業だからと言って逮捕される訳ではありません。しかし、逮捕されるような企業は、「証拠隠滅等の恐れがあると判断された企業である」ということも、また事実です。