気になる報道(29年9月12日)

(野反湖の花part4、by T.M)

先日の次の記事で、ふと思いました。 

国循、時間外労働「月300時間」の労使協定結ぶ…国の過労死ラインの3倍、見直しの方針示す(産経新聞、9月11日)

 国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)が、医師や一部の看護師などの時間外労働を月300時間まで可能とする労使協定(三六協定)を結んでいたことが7日分かった。過労死問題に取り組む松丸正弁護士(大阪弁護士会)の情報公開請求で判明した。 国の過労死ラインの目安となる月100時間の3倍の長さ。同センターは「直近半年間で100時間を超える時間外労働を行った職員はおらず、実際の勤務は上限まで十分余裕があった」としているが、協定内容を見直す方針を示した。 

こんな新聞記事が出ると、数日後には(早い時には数時間後に)本省から、各都道府県労働局監督課に「類似案件について、調査し報告せよ」という指示がくるものです。だから、用意のいい監督署では、本省指示の前に調査を開始しているし、またそういう監督署では、元々「問題はあるが、受理せざる得なかった36協定」は別綴りにしています。

つまり、逆に「用意の悪い監督署」も存在します。そういう署は大抵多忙です。だから、今ごろ、日本国中の多忙な署では、たいへんな労力を割いて受理済の36協定をひっくり返していると思います。 

提出された36協定の内容を、電子データで保存する試みも行われていました。あのシステムはもう完成したでしょうか。私が、現場にいたのは6年前までで、そのシステムは試行錯誤の最中でした。ちょうど、その頃3.11の震災が発生し、私は東北の監督署にお手伝いにいきましたが、その署で受理済みの36協定がすべて電子データ化されていて驚いたことがあります。私が当時所属していた横浜の大きな署ではとても考えられないことだったからです。 

36協定の電子データ化の最大のメリットは、36協定未提出事業場が瞬時に判明することと、今回のような事件の対処が簡単になることです。多分、このシステムが完成すれば(もう完成しているかもしれませんが)、日本の働き方改革に大きな影響を与えると思います。