働き方改革について(12)

(八ヶ岳と東沢橋、by T.M)

「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています」という映画を昨日観てきました。内容は、おちゃらけた題名と違い、夫婦間の人間関係をかなり真面目に描いて好感を持てました。ただ、気になる点が一点。主人公の妻が、都内のクリーニング店にパートタイマーとして勤めることになるのですが、そこの給与が「時給850円」の設定でした。現在、東京都内の最低賃金は「958円」ですので、100円以上差があります。もう少し、細部にこだわり作品を作ってもらいたいと思いました。

「働き方改革」関連法案ですが、話題になっている「高プロ」「残業の上限規制」以外に気になる箇所に気付きました。フレックスタイム制度の「清算期間」が「1ヶ月」から「3ヶ月」に延長されるそうです。「平成29年就労条件総合調査(厚生労働省)」によると、フレックスタイム制を導入している事業場数の割合は、全事業場の5.4%ですが、この法改正は、けっこう影響が大きいと思います。

「高プロ制度は残業代ゼロ法案」なんて野党は騒いでいますが、このフレックスタイム制の改正こそが、「残業代をゼロとする」ことが可能な法案なような気がします。

この法改正は、好意的に捉えれば「2ヶ月間一生懸命働いたら、残りの1ヶ月間は遊んでいられる」と考えることができます。しかし、否定的に捉えるなら「2ヶ月間一生懸命働いた残業代が、3ヶ月目に調整されてゼロとなる」という事態も想定できます。

こういう点も考えて、国会論戦を盛んに行ってもらいたいものです。