女性タクシー運転手とライドシェア

(旧貯木場のハーバー・横浜市中区新山下、by T.M)

FNNプライムオンライン 4/12

子育て中の女性”をタクシードライバーに採用する試みが注目されている。深刻なドライバー不足に対応するためだ。日中限定や短時間勤務も導入。人手不足で“働き方”を大きく変える試行錯誤が始まっている。「息子と買い物に行こうと思ってタクシーでそのまま学校に迎えに行っていました」とタクシーから息子とともに降りて笑顔で話す女性。乗客ではなく、仕事中のタクシードライバーだ。

ハンドルを握るのは橋本希美さん(37)。3年ほど前からタクシードライバーの仕事をしている。橋本さんが働いているのは、佐賀・鳥栖市の「スマイルタクシー」。このタクシー会社では、ドライバー不足を解消するため、4年前から“子育て中”の女性ドライバーの採用に力を入れている。

橋本さんは、子供2人の育児の傍ら、“日中限定”のタクシードライバーとしてハンドルを握る毎日を送っている。

以前は弁当店で働いていた橋本さん。タクシー業界を選んだのは、「仕事と育児を両立させるため」だという。

橋本希美さん:「上の子が中学生で下がもうすぐ卒業の小学校6年生なんですけど、上の子が障害者で…。子供となるべく一緒にいてあげたい。仕事中に熱が出たときにもすぐ帰れるし、それに対して会社が何かいうこともないですし」

このタクシー会社は、人手不足を解消するためにドライバーの働き方を大きく変えたという。

スマイルタクシー・天野善博 総務部長:「短時間しか働けないという方でも時間の強制はしない形で働いていただいています。子育てとタクシードライバーという仕事はかなり親和性高い」

いい話ですね。こういう話を聞きたかった。そういえば、私の住む横浜市港南区上大岡でも、最近よく女性ドライバーを見かけるけど、女性労働者の平均給与より稼げるこういう業種に女性は進出すべきだと思います。

話は変わるけどライドシェアのことです。日本版ライドシェアができるということで、興味を持って調べたけど、外国のライドシェアとまったく違うもののようです。

外国のライドシェアは、日本でいえばUberEatsのようなもので、自動車保有の個人がアプリ会社の指示に従って客を乗せるもので、運転手は個人事業主ですが、日本のライドシェアは単にタクシー会社の業務拡大のようです。

1 ライドシェアの運転手はタクシー会社と労働契約を締結する。当然、賃金・労働時間の定めあり。

2 ライドシェアの業務で使用される自動車は運転手所有の白ナンバー自動車

3 ライドシェア運転手は配車アプリに従って業務を行う。

これじゃ単に

「タクシー会社が設備投資(クルマの購入)をしないで、自社の稼働台数と従業員確保を増やしているだけ」

のような気がするんだけど、まあ、この制度でタクシー不足がなくなり、雇用が拡大するなら文句ありません。どうせ、遅かれ早かれ労働争議は起きるでしょ。

私が気になるのは、web上に出ている「ライドシェアの運転手募集広告」です。「副業としてできる」なんて書いてあります。

副業でタクシー・ドライバー????、

問題点は2つ。一つ目は長時間労働で過労死の問題。このケースで過労死したら、ライドシェアを行うタクシー会社から、「自由に働いて良かったんだから自己責任だ」っていう主張も絶対に出てきますよ。そもそも、ダブルワークで「長時間労働による過労死」って、労災認定が凄く難しい気がします。

もうひとつは労働基準法第38条の「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する」という規定の問題です。要するに、「ダブルワークをやっている労働者が1日8時間以上働いた場合、2ケ所目の事業場が割増賃金を支払わなければならない」ということです。これ、現状ではダルワークをさせている会社の多くが法違反しています。それを分かっていて国はライドシェア政策を推し進めているのでしょうか

お休みです

(シラコバト・大宮公園小動物園、by T.M)

人事異動の季節となりました。

私は非常勤嘱託なんですが、異動となりました。新しい仕事は、前部署と責任の程度は同じで、専門知識は生かせますが肉体的には楽な仕事となります。

66歳となる私にとってはありがたいことです。

また、組織の仕事以外に、私が個人で請けている仕事についてもやり易くなると思います。

異動に備え、業務が立て込んでいます。

そんな訳で4月7日までブログは休載します。ご訪問頂いた方には申し訳ないのですが、ご容赦お願いします。

2つの送検

(土肥桜とメジロ・静岡県伊豆市土肥の松原公園、by T.M)

ニュースをみると、3月1日は日本全国の労働基準監督署で多くの司法事件の書類送検が行われたようです。3月1日というのは、多分年間をとおし、一番書類送検の多い日です。これには理由があります。

検察庁は緊急を要する事件以外については、毎月20日から月末までの送検は認めません。これは、「当月に受理した事件については、当月に着手しなければならない」という内部規則が検察庁にあるらしく、通常送致はこの期間は受理しないという申し渡しが各警察機関にされているのです。また、4月になると人事異動が各労働基準監督署であるので、その準備に3月は忙しく、年度内に各監督官の手持ちの事件を送検してしまえということで、3月の最初の日が慌ただしい送検日となる訳です。

さて、そんな3月1日の送検について、私が良くやったと思う送検と、これはイマイチだろうと思うものを上げます。まず、良くやったと思うものからです。

下野新聞 3/1

労働基準監督署に未払い賃金の申告をしたことを理由に職員を不当に解雇したなどとして、真岡労働基準監督署は1日、労働基準法違反の疑いで、真岡市東郷、社会福祉法人「萌丘厚生会」と同会理事長で真岡市議(84)=5期=を書類送検した。労基法は労働者が法律違反の事実を行政官庁に申告したことを理由に、使用者が解雇や不利益な取り扱いをしてはならないと定めている。労基署によると、こうした違反での書類送検は県内で初めてという。

 書類送検容疑は、2023年3月1日~6月30日までの間、時間外・休日労働に関する協定(三六協定)を締結せずに、従業員11人に1日8時間を超える時間外労働をさせたほか、2人に1週間に40時間超の時間外労働をさせた疑い。また労基署に未払い賃金について申告したことを理由に、女性職員を解雇し不利益な取り扱いをした疑い。

よっしゃ!よくやった。これぞ、監督署がやるべき書類送検。監督署OBとして誇らしい。真岡監督署は守るべきものを知っている。

次にイマイチ送検です。

時事通信社 3/1

社員に違法な時間外労働をさせたとして、厚生労働省東京労働局は1日、労働基準法違反の疑いで中古車販売大手ビッグモーター(東京)と同社工場長の30代男性を書類送検した。

認否は明らかにしていない。

送検容疑は昨年2月、都内にある同社店舗に勤務する整備士6人に対し、労使協定で定めた延長時間を超える時間外労働をさせた疑い。

同労働局によると、6人の時間外労働はいずれも過労死ラインと言われる月80時間を上回り、最長で月116時間39分に上るケースもあった。同社は過去に繰り返し是正勧告を受けていたが、改善されなかったため東京労働局過重労働撲滅特別対策班(通称かとく)が捜査に乗り出していた。

何かなー!っていう感じです。ビッグモーターを叩くという時流に乗って、話題づくりに送検したんじゃないかと思われます。確かに約117時間の時間外労働は、過労死の認定基準を超えているけど、世の中にはもっと悪質なところがあえるじゃないのかなと思います。

昨年、青森の製麺工場はひと月224時間の残業をしていて送検されたし、船橋労基署は残業165時間の運送業者を送検している。西宮労働基準監督署が送検した医療法人の事例は113時間の残業で今回の立件より残業時間は少ないが、これはそもそも医師が自殺し労災認定された事例で、ビッグモーターとは同一にはできない。

それに、何で上局である東京労働局の「カトク」がでしゃばってくるんだ。こんなもの、所轄の労働基準監督署にやらせりゃいいだろと思う。

送検されたのが、どこの店舗かも分からないし、「複数回、是正勧告を受けた」というけど、これは「今回送検された店舗について、過去に是正勧告を受けていた」と判断して良いのだろうか?

つまり、東京労働局としては、何でもいいからビッグモーターという企業を叩きたいから、東京労働局内の17の営業所(HPで調べました)の中から適当に選んで送検し、「他の店舗はどうなっているのですか」という新聞記者からの質問を封じるために店舗の名前を公表していないという疑いもでてくる。

まあ、詳細がこれから分かってきたら、私の誤解ということになるのかも知れないけど、あまり政治的な送検はして欲しくないと、今の段階では私はそう思います。

食中毒

(松永記念館老欅荘の紅葉・小田原市、by T.M)

1/26  TBS NEWS DEG

東京・千代田区にあるホテルの社員食堂で「ノロウイルス」による集団食中毒が発生し、千代田区はこの店舗をきょうから3日間の営業停止処分にしました。

東京都によりますと、千代田区にある「パレスホテル東京」の中にある社員食堂で今月19日から20日にかけて、食事をした101人から、下痢やおう吐、発熱などの症状が出たとの報告があったということです。

いずれも症状は軽く、回復傾向にあるということですが、症状を訴えた人の便から「ノロウイルス」が検出されたことなどから、保健所は食中毒と断定しました。

この社員食堂はホテルから委託を受けた「エームサービス株式会社」が運営していて、千代田区はこの店舗をきょうから3日間の営業停止処分にしました。

上記の事件は、多分労災事件として取扱われるでしょう。私も似たような事件を扱ったことがありますが、食中毒は一度に多くの犠牲者を出す労災です。ただ単なる労災であるなら、労働基準監督署もそれを発表しません。今回のケースは、「ノロウィルス」が原因であり、保健所が営業停止処分にしたので、マスコミが記事にしたのだと思われます。上記のようなケースは珍しくなく、エッと思われるような、高級飲食店や接客業で食中毒が発生している場合も何度かありました。

(注)今回の「社員食堂」の業務形態がよく分かりません。「企業が従業員の福利厚生のために設けた施設で、もっぱらその企業の従業員専用あるいは親企業に関係の深い限定された企業が使用する」といった形態なら労災は確実でしょう。しかし、「親企業に仕事にきた者が誰でも使用でき、提供される食事が市場価格より安いが、営利事業としても成立している」なら労災になるかどうかは微妙です。

私が調査した食中毒の事件も社員食堂で起きました。卵の殻のそばに、ナムルに使用するもやしを置いていたので、ナムルにサルモネラ菌が発生したのです。30人以上被害者がいました。

その調査に行った時に、原因はすぐに判明しました。学校を出たて若い女性の栄養士が責任者だったのですが、その方の下で経験豊富な40代以上のパートタイマーが何人か働いていて、責任者である栄養士さんの管理がうまくいってなかったのです。

栄養士さんは、責任を感じてしょんぼりとしていましたが、年上の人たちをどう管理していいのか、まったく分からなか様子でした。

しかし、人の配置って、つくづく難しい。少子化が進む現在では、扱いづらい高齢者を部下に持ち、苦労している年下上司は多いと思います。そんな職場で、あの時の食中毒事件のような事故が起きないことを祈るばかりです。                            

今日は休みます

(万力公園のカピバラ・山梨市、by T.M)

申し訳ございませんが、コンサルタントとしての業務多忙のため、今週はブログ更新しません。

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またのご利用お待ちしております。