食中毒

(松永記念館老欅荘の紅葉・小田原市、by T.M)

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東京・千代田区にあるホテルの社員食堂で「ノロウイルス」による集団食中毒が発生し、千代田区はこの店舗をきょうから3日間の営業停止処分にしました。

東京都によりますと、千代田区にある「パレスホテル東京」の中にある社員食堂で今月19日から20日にかけて、食事をした101人から、下痢やおう吐、発熱などの症状が出たとの報告があったということです。

いずれも症状は軽く、回復傾向にあるということですが、症状を訴えた人の便から「ノロウイルス」が検出されたことなどから、保健所は食中毒と断定しました。

この社員食堂はホテルから委託を受けた「エームサービス株式会社」が運営していて、千代田区はこの店舗をきょうから3日間の営業停止処分にしました。

上記の事件は、多分労災事件として取扱われるでしょう。私も似たような事件を扱ったことがありますが、食中毒は一度に多くの犠牲者を出す労災です。ただ単なる労災であるなら、労働基準監督署もそれを発表しません。今回のケースは、「ノロウィルス」が原因であり、保健所が営業停止処分にしたので、マスコミが記事にしたのだと思われます。上記のようなケースは珍しくなく、エッと思われるような、高級飲食店や接客業で食中毒が発生している場合も何度かありました。

(注)今回の「社員食堂」の業務形態がよく分かりません。「企業が従業員の福利厚生のために設けた施設で、もっぱらその企業の従業員専用あるいは親企業に関係の深い限定された企業が使用する」といった形態なら労災は確実でしょう。しかし、「親企業に仕事にきた者が誰でも使用でき、提供される食事が市場価格より安いが、営利事業としても成立している」なら労災になるかどうかは微妙です。

私が調査した食中毒の事件も社員食堂で起きました。卵の殻のそばに、ナムルに使用するもやしを置いていたので、ナムルにサルモネラ菌が発生したのです。30人以上被害者がいました。

その調査に行った時に、原因はすぐに判明しました。学校を出たて若い女性の栄養士が責任者だったのですが、その方の下で経験豊富な40代以上のパートタイマーが何人か働いていて、責任者である栄養士さんの管理がうまくいってなかったのです。

栄養士さんは、責任を感じてしょんぼりとしていましたが、年上の人たちをどう管理していいのか、まったく分からなか様子でした。

しかし、人の配置って、つくづく難しい。少子化が進む現在では、扱いづらい高齢者を部下に持ち、苦労している年下上司は多いと思います。そんな職場で、あの時の食中毒事件のような事故が起きないことを祈るばかりです。