高齢者と安全衛生

(夜の本牧ふ頭のコンテナ荷役作業、by T.M)

ポニチ 3/3

落語家の笑福亭鶴瓶(71)がMCを務める2日深夜放送のテレビ東京「きらきらアフロTM」(木曜深夜2・05)に出演。タッチパネル式注文について、私見を語った。

 「小さな韓国料理屋に行った」という鶴瓶。「席に座ったら何もあらへんから“あのお箸出てないんですけど”って言うたら“タッチパネルでお願いします”って」。「そこに(店員)おるのに…。なんやねんあれ。腹立つで」と声を荒げた。そのお店では「エプロンもタッチパネルだった」といい「タッチパネルで(注文)やってたんやけど“お水ちょうだい”って言うたら“はい!”って持ってきてん。じゃあ最初からそうしてくれ!」と語気を強めて訴えていた。

分かるな、この気持ち。私も先日同じことを考えました。

高齢者が先進機械を使いこなせないことは30年前から一緒です。(スマホが先進機械?)40年前、私はワープロを使えない先輩を軽蔑していました(ワープロも死語になった)、30年前にFAXを遣えない上司の陰口を叩きました、25年前にパソコンを使えない同僚をアホ扱いしました、20年前に、携帯電話でメールを打てない私は後輩に馬鹿にされました、10年前、スマホを利用できない私は部下からダメ出しされました、そして現在、LINEさえまともに管理できない私は、自分の認知機能をひたすら心配しています。

でも、今高齢者がタッチパネルができないと憂いている若者よ!君たちだって、30年後には若い者に馬鹿にされてれんだぞ、きっと!

とは言っても、職場の安全衛生についてもスマホ等が持ち込まれる現在において、それが使いこなせない高齢者は、どうも職場のお荷物になっているようです。

ある産業廃棄物処理業の事業場なんですが、そこは社長さんがIT導入に熱心で、ゴミの収集運搬の作業員全員にスマホを手渡し、「ヒヤリハット事故」の場合は現場を撮影し本部にメールを送付するように命じました。もちろん、「ヒヤリハット事故報告」の様式は作成済です。ところが、高齢者の多い職場ではスマホを使いこなせる人が少なく、一時は現場が非常に混乱しました。また、高齢者にスマホの使い方を教える、若手「職長さん」も苦労したそうです。

高齢作業員曰く、「こんなことやったって、自分たちの役に立たない。昔ながらの作業日報で十分だ」

そのとおりなんですよ。データのデジタル化っていうのは先がない高齢者にとっては、あまり意味がないことなんですよ。プラットフォームを作ったって、データが集積しなければ何の役にもたたない。

でもね、後に続く者にとってはとても有益です。この産廃業者は、「ヒヤリハット事故報告」からたくさんの作業標準を作って災害を減らしました。

安全衛生のデジタル化は、やはり必要だと思います。(でも、やっぱスマホは苦手だ)