2024問題

(旧高松分校・神奈川県山北町、by T.M)

9/28 日テレニュース

物流業界の規制が強化されるいわゆる「2024年問題」が指摘される中、岸田総理大臣は来週、関係閣僚会議を開き、物流業界への支援策をとりまとめる考えを示しました。

2024年4月1日からトラックドライバーの長時間労働が規制され、物流が滞るおそれが指摘されています。この、いわゆる「2024年問題」に対処するため、岸田総理は28日朝、都内のトラック輸送などを行う企業を視察しました。

岸田総理

「物流革新緊急パッケージを取りまとめたいと思います。来月に向けてまとめる経済対策にこの内容を盛り込んでまいりたい」

岸田総理は具体策として「作業の自動化・機械化」「自動運転の推進」「再配達率の半減に向けた支援」などを挙げました。その上で来週、関係閣僚会議を開き支援パッケージ策をまとめる考えを示しました。

来月とりまとめる予定の経済対策に盛り込むことにしています。

今年話題によくでる、2024年の記事ですが、併せて、次のようなデータを紹介します。

(1)運送業での、過重労働を原因とした脳心臓疾患の労災支給決定数は、121件で業種別では第1位であり、全認定件数の約1/4を占める。また、申請件数に対する労災決定率も約80%で非常に高い。

(令和4年版過労死等防止対策白書より抜粋)

(注1:ここで述べる労災決定率とは、決定数を申請件数で除したものであるが、労災決定については「年度跨ぎ」のケースもあるので、おおまかな数値です)

脳心臓疾患の障害とは、元気に仕事をしていた人が、急に胸を押さえて倒れてしまうといった肉体を毀損する病気のことです。要するに、トラックドライバーの激務は非常にきつく、2024年問題の業界の都合がどうだか分かりませんが、健康確保のために労働時間の短縮が早急に求められるということです。もっとも、このデータは「まだ長時間労働の規制が緩い運送業」と「既に規制されている他業種」を比較するもので、ある意味当たり前といえば当たり前です。

ただ、次のようなデータもあります。

(2)運送業での、過重労働を原因とした精神障害による労災支給決定数は168件であり、医療・福祉業465件、その他の業種325件と比較すると多くはなく、全認定件数の8%である。

(令和4年版過労死等防止対策白書より抜粋)

精神障害による労災認定とは、高ストレスによりうつ病等を発症し、長期休業や自殺等を引き起こします。相対的なものですが、この高ストレスということについては、まだ運送業界はまともだということが言えます。

肉体的には非常にきついが、ストレスはあまり高くない(相対的にですよ!)という職業であるなら、やはり報酬を上げ、無理な仕事をしなくて良い状況をつくれば、けっこう良い労働環境になり、人材も集まってくるのではないでしょうか。つまるところ2024年問題の解決は賃上げだと思います。