鎌倉八幡宮の大階段

写真は鎌倉八幡宮の大階段です。今から800年前に源実朝が異母兄弟の公暁にここで暗殺されました。昨年の大河「鎌倉殿の十三人」では、その場面が週番に描かれていました。

この階段の脇には樹齢1000年を超える大銀杏があって、その後ろに暗殺者たち隠れていたとされますが、その御神木は2010年に長い命が終えて、倒れてしまいました。今では、大銀杏の苗木から大銀杏を再生するプロジェクトが進められています。ただ、元の大銀杏のような木とするには200~300年かかるとされています。

この大階段は、私の思い出の場所です。10代を横須賀で過ごした私は、高校受験の時、大学受験の時、あるいは仲間たちと、ある時はデートで、その階段を昇り降りして八幡宮に参拝しました。当時はまだ大銀杏は青々としていて、枝の間を帰化動物の台湾リスたちが走り回っていました。

私は、もうその大階段で八幡宮の本殿に行くことはできません。10年前に罹患したギランバレーの影響で、手すりのない階段は利用できないのです。あの高さの大階段ですから、転んでしまうと、死んでしまうかもしれません。

大階段の近くには別ルートがあって、そこには手すりが設置されています。いつもはそこを利用するのですが、本殿から大階段を見下ろして、ため息をつき、またもう一度ここを、自分の力で降りてみたいと思っています。

そんな私ですが、もし大階段に私のような体の不自由な者や高齢者のために手すりを設置する計画が持ち上がったら、絶対に反対します。鎌倉武士たちが往来した大階段は昔のままにしておくことが、現代に生きる者の使命でます。

最近、バリアフリーの議論が活発です。ただ、歴史建造物に手を加えることは慎重になって欲しいと思います。

今日から旅行に行きます。次回ブログは休みます。では25日にお目にかかりましょう。