マクドナルドの残業代

(身延山からの富士山、by T.M)

用があって、アイルランドまで行ってきました。1週間ほどだったのですが、コロナのリベンジ旅行という感じでけっこう面白かったです。

今回の旅で気付いたことは、ヨーロッパではヤフーニュースが見れないということ。4年前にハンガリーに行った時は見れたのに、タブレットを持参して日本のニュースを毎日チェックする予定が、目的は十分にはたせませんでした。別に、グーグルニュースの検索でも良かったのですが、30年以上昔からヤフーニュースを見ている高齢者にとっては、やはりそれは慣れていて使い勝手が良いものです。

ということで1週間ほど、日本のニュースから離れていたところ、昨日なんとこんな文春ニュースを見つけてしまいました。

6/23 文春オンライン

〈資料入手〉「残業するとボーナスがカットされる」マクドナルド元店長が告発する“過酷な労働環境” 元勤務先は未払い残業代支払いを拒否

 福島県にある「マクドナルド」の店舗で店長などを務めていた元従業員が、元勤務先である日本マクドナルドのフランチャイジー(加盟店)に対し、未払い残業代の支払いなどを請求したものの、拒絶されていたことが「 週刊文春 」の取材でわかった。

 世界最大のハンバーガーチェーンであるマクドナルド。現在、100以上の国と地域で4万を超える店舗を構える。日本では全国に約2960店舗を展開し、その7割以上がフランチャイズチェーン(FC)だ。

 そんなマクドナルドを巡っては、茨城県にある友部店(笠間市)で店長が従業員38人の勤務時間を不正に減らし、自分の妻の勤務時間だけを増やす“勤怠記録の改ざん”に手を染めていた問題を「週刊文春 電子版」が 6月7日配信の記事 で報じた。

 すると、記事の配信後、マクドナルドの元従業員Aさんから編集部に連絡があった。Aさんは「私も自分の勤務時間の改ざんをしていました」と告白した上で、元勤務先に対して「未払い残業代を請求したが支払いを拒否された」と明かしたのだった。

 Aさんが昨年まで社員として勤務していたのは、福島県と栃木県でマクドナルドを8店舗運営するフランチャイジー「キノシタ」。「残業をすると怒られるという文化」(Aさん)である同社で、仕事は多忙を極めたという・・・

私が日本を離れている時に、文春さんは「広末不倫騒動」だけでなく、こんな硬派な、そして私のブログネタに最適な話題を提供してくれていました。

この記事だけでは分かりにくいので、少し説明をいれます。文春の取り上げた事件は2部構成です。まず最初は6月7日の配信記事で、「茨城県の友部店舗」で時間外労働の改ざんが行われていて、残業代の遡及支払いが行われたというものです。

(注)この店舗はフランチャイズ経営のもので、日本マクドナルド株式会社が指導すべきものだといっても、経営主体は日本マクドナルド株式会社(以後、「マクドナルド社」と呼ぶ)とは別のものです。

文春記事には書かれていませんでしたが、元労働基準監督官の私の経験から申し上げると99%の確率で、この「残業代の遡及支払い」は労働基準監督署から是正勧告を受けて、フランチャイズ会社が行ったと思われます。この是正措置についてはマクドナルド社の指導がフランチャイズ店には行われていると推測されます。

興味深いのは、この茨城県の友部店の記事をうけ、「自分もマクドナルドの別のフランチャイズ会社で勤務時間の改ざんに手を染めていた」という情報提供が文春はあったことです。文春はそちらの取材もすすめていて、そちらの第一報が前述の記事です。どうも事件としては、労使関係が複雑でそちらの方が大事件となりそうです(多分、テレビのワイドショーネタになると思います)。

このブログでは、今後継続的にこの事件の話題を取り上げてみたいと思います。