(クルマ好きの友人から頂いた写真です。クリスタルラインのポルシェです。)
まずは、近況報告を。
安全週間が近いので、私もいくつかの会社の安全大会で安全講話を話しました。中には、ある木造家屋の建設会社なんですが、直前まで現場で働いていた職人さんが、私の話を聞きに来てくれたなんてこともありました。そんな現場の人に直接話せる機会を得て、とても感激しています。まずは、私の話を聞いて頂いた方々に感謝の意を表します。ありがとうございました・・・
そんな訳で、今回からは安全週間に縁の深い、「表彰」の話です。
神奈川県内のある大手電気機械メーカーで、「無災害1億時間」を達成しています。この1億時間とは延労働時間数のことですが、これが、どのくらい凄いことかというと、従業員数1000人の事業場でこの記録を達成しようとしたら、労働者1人あたりの労働時間を年間2000時間とすると、50年間かかることになります。当然、日本1の大記録です。この会社は、安全衛生管理の優良事業場として、厚生労働大臣賞はとっくに授与されていますが、1億時間無災害を達成したので、前例はなかったのですが、内閣総理大臣賞が授与されました。
この会社には私の学生時代の友人が勤務しています。その友人に、そのことを尋ねたところ、こんな答えが返ってきた。「あー、1億時間ね。知ってるよ。でも、あの記録、この間に、つまらないことで止まったんじゃないの」。 私はそのことが初耳だったんで、急いで調べましたら、友人の勘違いであったことが判明しました。
この会社の安全衛生担当者は、多分、淡々と、そして確実に安全衛生管理を行っているのだと思います。その職にある者と担当役員が陰でどれだけの努力をしようが、労働者が無災害を当たり前のことと思い、それを意識せずに空気のように感じるようにまでならなければ、大記録を達成できないのかも知れません。
表彰制度というものは、労働安全衛生活動が活発な会社を表彰することにより、その会社に他の会社の模範となってもらい、社会的な労働安全衛生の意識を啓発することを目的とします。私は、神奈川労働局の安全課にいる時に、この表彰制度の担当者であったことがあります。