役所に苦情を!(1)

(武田勝頼自刃の場所、甲州市景徳院、by T.M)

最近、コールセンターを使用している監督署が増えてきました。

コールセンターは日本のどこかに設置されていて、いくつもの監督署への電話を一括して処理しているのでしょうが、長年監督署に勤務していた者としては、その応対にとても危なっかしいものを感じます。

つい最近もこんなことがありました。

午後5時10分頃に、「働き方改革」に関する法の解釈を尋ねようとして、東京のある大きな監督署に電話しました。(注:私は、「神奈川」在住ですが、神奈川労働局には知合いが多いもので、「一人の国民」として行政に質問をする時には、東京の監督署を利用します)

監督署の電話が混み合って通じないのではないかと心配していたのですが、無事オペレータと繋がりました。すると、オペレータから「現在、相談の窓口が、件数が多くて塞がっているので、しばらくこのままで待って欲しいと」言われました。そして、数分間受話器を耳に待っていると、オペレータが次のようなことを言いました

「まだ電話が相談窓口と繋がりません。もう5時15分で閉庁時間時間なので、電話は回せません。明日またおかけ直し下さい。明日の開庁時間は・・・」

さすがに、私は腹が立ちました。そして、次のように述べました。

「ちょっと待ってくれ。私は、役所のHPに記載されている電話番号に連絡しています。この電話で話しているということは、あなたが、コールセンターの人かアルバイトの人かは分かりませんが、役所の管轄にある人ということです。行政機関に、閉庁時間前に連絡してきた者に、対応にでた人が、『その件については分かる者が電話中ですか、明日おかけ下さい』と言って断るのは筋違いではないですかか。」

私の主張を理解してくれ、オペレータは監督署の職員に取り次いでくれました。私は、その監督署の職員に、「対応できる者がいるのに、なぜさっきのオペレータは電話を切ろうとしたのですか」と尋ねようとしましたが、それ以上はその件に触れることはしませんでした。

私が現役時代にも、同じような状況が発生したことがあります。終了時間間際に電話がかかってきて、アルバイトの人が対応するが、職員すべてが電話口にでているか相談対応中という場合です。そういう時のために、私はあらかじめ、アルバイトの方に次のような指示をしていました。

 「電話を取った時に、誰も対応できる者がいなかったら、相手の電話番号を聞いて、『後で折返し』に電話をしますと答えてくれ。それで、相手が納得しなかったら、私の名前を出し、私が担当者だと答えてくれ」

また、監督署の知人に聞いたことですが、次のような電話トラブルも、最近多いそうです。

コールセンターのオペレータに、「××の部署に電話を繋いでくれ」と言っても、「何のご用件でしょうか」と聞きなおしてきます。相手が初めて監督署に電話をする人で、「どこに相談したらよいか分からない」という場合ならともかく、部署指名で電話をしているのに、あえて用件を聞くということは、そこで相談ができるのかと勘違いする人もいると思います。そこで、用件を話し、電話が回され、あらためて監督署の担当者と話をする時に、また用件を尋ねられ、「さっき話したじゃないか」と怒る人もいると思います。

監督署に電話をかけてくる人は色々な人がいます。「これから刺しにいくぞ」と言われたこともあります。オペレータの電話トラブルの後始末をするのは、結局は監督署の職員であるというケースも多いと思います。

この、監督署の電話窓口でコールセンターを利用するという企画を立てたのは、監督署の現場を知っている人なのでしょうか?

監督署の現場が望んでいることは、電話応対ができる職員の増員だと思うのですが。