(京急線沿いの桜並木・三浦海岸〜三崎口、by T.M)
先日、ある地方労働局に勤務する友人と飲食を共にしました。その地方労働局では既に人事異動の内示があったということなので、その友人から詳細を聞こうとしたのですが、外部公開まだだからと口が堅く、まったく教えてもらえませんでした。逆に、その友人は私に尋ねました。
「退職して4年にもなるのに、まだ前職の人事に興味があるのですか」
この質問に、思わず私は苦笑してしまいました。
確かに、役人にとっては人事は年に一度の最大のイベント。昔の根性が抜けないと言ったら嘘になります。
それから、友人とは役所における人事の奇妙さについての話題で盛り上がりました。
さて、森友学園事件の公文書偽造問題で自殺された近畿財務局職員についてです。私も、亡くなられた職員の遺書が掲載された週刊誌を読みましたが、公務に追われ精神の均衡を失っていく様子が生々しく記録されていました。私は、この件について友人に次の質問をしました。(彼は、労災の問題に精通しています。)
「この事件は、既に公務災害として認定されている。今回、遺族からが、今後の展開としてはどうなるだろうか?」
(注) 「公務災害」とは、公務員における「労働災害(労災)」のこと。
友人は、次のように回答してくれました。
「財務局が早期に公務災害として認定したことは、少し意外な気がする。公務災害として認めることは、彼の死についての、国の安全配慮義務違反としての責任を認めていることになるからだ。でも逆に言うと、彼の死を公務災害として認めてしまったことで、損害賠償を支払う口実を作ったことも事実だ。国が損害賠償を支払ってしまえばそれで終了する。遺族としては、それで終わりにしたくないので、元上司の佐川氏を、国とともに被告に加えたのだろうが、佐川氏がダンマリを通したとしても、裁判所は国の責任だけを認めるのではないかな」
確かに、通常の労働災害の裁判としては、個人と会社に損害賠償を求めたとしても、会社側だけに損害賠償を認めるケースが多いような気がします。国としては、遺書があることでもう逃げれないと覚悟し、「公務災害」を認定することで、次善の手を打ったのかなと思いました。
それにしても、この職員が自殺した直接のきっかけとなったのは、文書偽造を行った他の職員はすべて人事異動で他の職場び配置転換となったのに、彼だけ後始末を押し付けられるように、その部署に留められたことでした(と週刊誌の記事では読めます)。
人事は人を殺す。
確かに、その様なことはあるなと友人と酒を飲みながらしみじみと思いました。
赤木俊夫様のご冥福を祈ります。