(ドナウの夜明け、by T.M)
朝日新聞 10/14
単発で短時間の仕事ができる「スポットワーク」をめぐり、企業と働き手をつなぐアプリ事業者が働き手の利用を無期限に停止したことに対して、厚生労働省が指導していたことがわかった。連絡なく仕事にいかない、いわゆる「無断欠勤」をすると無期限でアプリが利用できなくなる仕組みで、職業安定法に違反するとしている。
スポットワークは、スキマバイトとも呼ばれ、スマートフォンのアプリで働き手と雇い主をマッチングする。
利用者は急速に増えており、スポットワーク協会によると今年10月時点で、主な4社のサービスに登録した働き手の数は、延べ2千万人に達した。この1年で倍増した。
こうしたアプリでは、連絡せず仕事に就かないと、その後は無期限でアプリから応募できなくなる決まりにしているケースがある。
一方、主なアプリ運営事業者は厚労相から「有料職業紹介事業者」の許可を受けている。職業安定法に基づき、違法な内容を除いて求職の申し込みはすべて受理しなければならない。
このため、厚労省は、働き手に対して利用を無期限停止する措置は、職業安定法に違反するとして、一部のアプリ運営事業者を指導したという。
先週に引続き、スポットワークの大手タイミーの話です。タイミーでは、紹介した事業場の仕事を無断欠勤した紹介者に対し、その後に仕事を紹介しないとしていたそうです。それが、職業安定法違反だとして厚労省が指導したことを、朝日新聞が記事にしたものです。タイミーはそれに対し、次のような弁明をしています。
タイミー HP IR情報 10/14
本日、一部報道機関において、スポットワークアプリを利用するユーザーが無断欠勤をした場合に、当該ユーザーを無期限利用停止とすることを違法とする厚生労働省の指導について報道されておりますが、当社は昨年、厚生労働省との協議を経て、サービス利用停止期間を「無期限」から「一定期間」へ変更しております。
当社はこれまでも厚生労働省の方針に沿って関係機関と協議をしながら、サービスの改善等に対応してまいりました。今後も関係機関と協議しながら、皆様に安心してご利用いただけるサービスを提供してまいります。
これって、タイミーは何か悪いことをしているのでしょうか?「無断欠勤」するような紹介者は信用できないとして、以後の紹介をしないことは、別にかまわないような気が私はします。例え法律にそれが抵触していたとしても、是正すれば、特に世論に糾弾されることはないと思います。(印象操作で、このことが非常に悪質だというキャンペーンをしたい人がいるかもしれませんが・・・)
私は、労働基準監督官をしていたからよく分かりますが、事業者と労働者の間にトラブルが起きた時は、9:1で事業者が悪いのですが、確かに労働者が悪いケースがあります。中でも、無断欠勤については、100%労働者の非であると思います。
(もちろん、無断欠勤についても急病等の不可抗力のケースは除きます)
Yahooの知恵袋にこんな質問がありました。「寝坊で、タイミーから紹介された会社に仕事にいけなかった。後で自分で会社に行って謝罪したら、仕事を続けてくれと言われた。このような場合、タイミーからペナルティはあるのだろうか」。それに対する回答は、「タイミーはそのような無断欠勤ではペナルティはない」ということでした。適切な処理をタイミーはしているのだと思います。
「働く」から、労働者なのです。無断欠勤して働かない者は、もはや「労働者」ではありません。単なる「迷惑な人」です。無断欠勤をするような方は、スポットワーク事業者とそれを利用する経営者だけでなく、紹介された職場で一生懸命働く労働者の敵でもあると思います。
私の持論です。「派遣労働者と短時間労働者の最低賃金を、地域最低賃金の1.25倍とするべきである」 この持論にスッポトワーク業者は反対しないと思うのですが、それは私の幻想でしょうか。厚労省はスポットワーク事業を育て、そこで働く労働者の待遇改善を目指すべきだと思います。