
(里山の旧家・山梨県甲州市「もしもしの家」、by T.M)
3/11朝日新聞
日本郵便近畿支社管内の複数の郵便局で、郵便物などの配送車の運転手に対する法定の点呼が適切に行われていなかったことが分かった。点呼記録の虚偽記載も発覚。関係者によると、不適切な点呼の疑いがある局は支社内の8割と内部で説明されたといい、同社は今月、全国の郵便局を対象に緊急調査を始めた。
点呼は安全運行のために貨物自動車運送事業法などで定められており、大手運送事業者で不適切な点呼の横行が発覚するのは極めて異例。報告を受けた国土交通省は同法違反などの恐れがあるとみて、日本郵便の調査を踏まえて行政処分を検討する方針。処分内容は車両使用停止などで、同社の運送事業に影響が出る可能性がある。
同法は省令で、運送業務などをしている事業者に対し、重大な事故を起こさないよう、乗務前に運転手の健康状態や飲酒の有無を確認するなどの点呼を義務づけ、安全な運転ができない恐れのある運転手の乗務を禁止する。乗務後にも点呼で飲酒の有無などを確認する。違反すると営業車両の使用停止などの罰則がある。
本題に入る前に、次の写真を見て下さい。(これから書くことは20年近く前のことで、現在では状況が違うと思います)

1000円の商品券が1400円で売られています。(送料をいれると2000円)です。
その理由は、この商品券が「郵便切手で購入可能」だからです。このような、商取引がヤフオク等でさかんに行われていたのは、今から10年以上前のことです。(今でも、時々あるようです)。
当時、郵便局の非正規職員の「自爆営業」ということが、よく言われていました。彼らは、一人当たり100~3000枚の年賀状の売り上げノルマがあったのです。このノルマに対し、報奨金等は支払われません。そこでノルマ達成のため、非正規職員は自分たちで年賀状を購入していたという話です。その購入された年賀状が使い切れないので、自分の勤務する以外の郵便局に行って切手と交換し、ヤフオク等のサイトで商品券と換えるのです。足元を見られて、切手を買いたたかれていました。
当時の郵便局の非正規職員がそのような理不尽な命令に従ったのは、人事評価が下がることを恐れたからです。当時は、たいへん狭い門だったのですが100人に一人くらいは、人事評価の成績がよければ正規職員になることが可能でした。ですから、非正規職員に対するパワハラ等が蔓延している職場もあったと聞いています。
私は当時から、「郵便局はもう終わりだな」と思っていました。郵便局の職員もみなそのことは分かっていたようで、郵便局が、簡保・郵貯・郵便業務の3つに分割されたときに、配転希望が簡保と郵貯に集中して、郵便事業の希望者はいなかったそうです。
郵便局がクロネコ等に負けるのは、業務形態があまりに非効率だからです。郵便局がクロネコ等に対抗するためには、郵便局の統廃合が必要でしょうが、それは地域状況等を考慮すると非常に難しいものなのでしょう。「信書の取扱い」と「年賀状バブル」だけでは、経営が厳しいのです。赤字路線を抱えた旧国鉄や,旧JALと同じ構図です。
さて、冒頭のニュースについてですが、色々と経営が難しい郵便局ですが、労働者の安全確保だけは徹底させて欲しいものです。