労働組合と懲罰

(笛吹川フルーツ公園の夜景・山梨市、by T.M)

このブログを書いていたら悲しいニュースが飛び込んできました。

FNNプライムオンライン 3/7

秋田県 男鹿市の下水道工事の現場で、作業員3人が倒れているのが見つかり、全員の死亡が確認されました。

午前9時半ごろ、男鹿市 脇本樽沢の下水道工事現場で「マンホールで工事をしていた男性作業員3人が酸欠で脱出できない」と通報がありました。

消防が3人を助け出し、意識不明の重体で病院に運ばれましたが、その後、全員の死亡が確認されました。

亡くなられた方のご冥福を祈ります。

私も硫化水素発生を伴う酸欠死亡災害の災害調査を何回か行ったことがありますが、突発的に発生する災害で複数の方がなくなる、本当に悲惨な事故が多かったです。

秋田労働基準監督署の方々、寒い中ですが、再発防止のため災害調査頑張って下さい。

3/4 スポニチ オンカジ問題 選手会が出場停止処分回避求め近日中にNPBと事務折衝 コミッショナー「啓発の継続を」

日本野球機構(NPB)とプロ野球12球団による実行委員会が3日に都内で開かれ、8球団15人の利用が判明したオンラインカジノ問題について、榊原定征コミッショナーが「問題解決に向かう道筋を球界全体として取り組むように」「選手、関係者への啓発の継続と、シーズンを通じて啓発を行っていただきたい」などと発令した。中村勝彦事務局長によると、新たな自主申告者はいないという。

問題は2月17日にNPBにオリックス所属選手がオンラインカジノを利用していると情報が寄せられたことが発端。翌18日に球団が山岡と面談し、海外サイト運営のポーカーゲームトーナメント大会に参加していたことが判明した。NPBは全球団に対し、オンラインカジノ利用は違法行為に当たると各球団内で周知徹底するよう求め、過去に利用したことがあれば自主的に名乗り出るよう要請していた。

榊原コミッショナーの強い姿勢を受け、近日中にも12球団代表者会議を開催する。さらにオンラインカジノ利用者に出場停止などの処分を科さないよう要請した日本プロ野球選手会との事務折衝にも臨む方針という。

監督署で窓口業務をしていた時のことです。ある運送会社の労働組合という方が2名ほどいらっしゃいました。その時に彼らの要件は次のようなものでした。

「酔っ払い運転に対する会社の措置が厳しすぎる。朝検査をして、少しでも呼気にアルコールが残っていると、その日はクルマに載せないで、欠勤扱いする。会社は横暴だ。」

私は就業規則の制裁規定等を説明しながら、次のように述べました。

「ご希望に沿うアドバイスはできません。監督署では、労働災害防止のため飲酒運転を撲滅するように各会社にお願いしています。その取り組みとして、酒気帯び運転の絶対禁止も当然です。飲酒運転で事故を起こした労働者について、例え人身事故でなくても、労働基準監督署に解雇予告除外認定申請がでれば認定することもあります。その場合は労働者は懲戒解雇されます。」

労働組合の人たちは不満そうに帰っていきました。

さて、上記の新聞記事についてです。労働組合が、会社の下す懲罰から労働者を守ろうとすることは当然です。気に入らない労働者を処罰しようと、悪質な経営者は色々と知恵を絞ってくるものです。それに対抗するためには、労働組合の存在が不可欠です。

でも、筋が通っていない庇いだては、組合の品格を落とすことを忘れないで下さい。新聞記事の事案については、法違反であることですから、処分は必至です。「事務折衝」ということですけど、組合サイドはともかく会社側に頭を下げてお願いすることしかないでしょう。「本人も反省していますから重い処分はしないで下さい」と言うことが、せいぜいできることだと思います。

前期の「飲酒運転」についてもそうですが、法違反等については会社側と組合が協力して再発防止対策を行わなければならない事案です。間違っても、組合側は会社側を挑発しないで下さい。世間が敵に回ります。

前述の「飲酒運転に係る労働組合からの陳情」の後で、某大手労働組合ナショナルセンターの役員と話し合いの場で、そのことを話題に出したところ(当然、陳情した組合の名前はだしていない)、ナショネルセンターの役員は「それは組合のやるべきことではない。いや、やってはいけない」と驚いていました。組合の上の人は話がとおる人が多いので、今回のNPBの件も穏便に終わると思います。

さあ、もうすぐNPB開幕。わがベイスターズは今年はどこまでやってくれるのでしょうか。