
(鉄道の町新潟県新津市・JR信越本線新津駅、by T.M)
日刊スポーツ
巨人岡本和真内野手(28)がリハビリを実施した。
川崎市・ジャイアンツ球場の室内練習場に姿を見せ、約1時間汗を流した。左肘の患部は包帯を巻いて固定。マシン打撃では右手1本で山なりのボールをはじき返した。6日阪神戦(東京ドーム)で負傷。病院での精密検査の結果、左肘の靱帯(じんたい)損傷と診断された。一般的には全治3カ月程度とみられ、前半戦の復帰は絶望的となっている。
このシーンを動画でみました。ジャイアンツの岡本内野手が、ランナーのタイガースの中野選手にタッチプレイをしようとした時に交錯し発生した事故でした。どちらが悪いということはなく、2人とも一生懸命に行った末の事故でした。試合後のニュース番組で分かったようなコメンテーナーが次のように話しをしていました。
「岡本選手が、ボールを離してしまえば、ケガをしないですんだ。」
アホなことを言うなと思いました。あそこでボールを離すことなんて、プロ野球選手にできるはずはないだろう。
そういえば、私が50年以上応援しているベイスターズでも危険なプレイが先日ありました。サードの林選手がファウルフライをカメラマン席まで飛び込んでキャッチしたのです。カメラマン席とグランドの境界には腰の高さくらいのフェンスがあり、カメラマン席はグランドより低く設置されています。林選手はフェンスを乗り越えそこに飛び込んだのです。身を挺して行ったファインプレーに、我らベイスターズファンは感動したのですが、安全担当者としては「ちょっと待てよ」という気になるのです。
労災事故というのは労働者の不注意からおきるものばかりではありません。真面目で仕事熱心な労働者は真面目ゆえに労災を起こしてしまうことがあります。例えば、パン工場でベルトコンバヤーで窯に焼く前のパンを投入する作業について、ベルトコンベヤー上のパンの列が乱れていた時に、作業員が思わずコンベヤ上のパンを素手でなおしてしまうことがあます。その時にコンベヤに指を挟まれ負傷するという事故が高確率で発生します。作業員は、不真面目な訳ではありません。自分たちが作っているパンが、不完全な状態となることが嫌で、思わず手がでてしまうのです。
さて、先の岡本選手のケガを起こしてしまったプレイについて、「ワンプレイの成否より、ケガをして休場する方がチームに迷惑をかけるのだから、そんな危険なプレイは避けるべきだ」という意見もあります。それが正論であります。でも、ファンからみたら、そんなプレイなんてくそくらえです。ファンは、ケガを恐れぬ選手のワンプレイに感動するものなのです。
だからこそ、プレイヤーを管理する者は、極力ケガが起きないような環境を整備し、事故が起きた時のアフターの福利厚生を充実させるべきなのです。
パン屋の労災事故については、コンベヤに指が入らぬようにカバーの設置、ワイヤー式非常停止装置のような設備改善はもちろんのこと、「パンの焼きあがりより、指の方が大切」という教育を徹底すべきなのです。
事業主の注意義務がまったく関与しない労働者の不注意からの事故は以外と少ないものなのです。