土俵の高さ

(コツメカワウソ・智光山公園こども動物園、by T.M)

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日本相撲協会を退職した元横綱・白鵬で前宮城野親方の白鵬翔氏(40)が9日、都内のホテルで会見を開いた。日本相撲協会を退職改めて報告。世界相撲プロジェクトを推進する「世界相撲グランドスラム」構想を明らかにした。

 協会は2日に東京・両国国技館で臨時理事会を開き、提出されていた退職届の受理を承認。また、9日付で伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)が年寄「宮城野」を襲名、照ノ富士親方(元横綱)が年寄「伊勢ケ浜」を襲名し、伊勢ケ浜部屋の新師匠になることも承認した。

 白鵬氏は冒頭で「相撲に愛され相撲を愛した25年でありました。この場を借りまして、白鵬翔は日本相撲協会を退職して改めて夢に向かって進み出すことをお伝えします」とあいさつ。「今の自分が置かれている立場を考えますと、協会の中ではなく外の立場から相撲の発展に力を注いでいくことがいいと判断して最終的には自分自身で決断しました」と語った。

 質疑応答の最後に「今回の退職に悔いはありますか?」と聞かれると、「悔いは全くありません」ときっぱりと言い切った。

白鵬関(白鵬氏)、お疲れさまでした。横綱後に親方となられ、弟子の不祥事の監督責任をとられたようですが、今般相撲協会を去るのですね。私は、白鵬関の相撲が好きでした。人は彼のことを礼儀知らずの無法者と呼びます。しかし、私は相撲を誰よりも愛していたのは、彼であると思っています。白鵬関の相撲は、日本の文化とモンゴルの文化の戦いでした。しかし、日本文化を愛していたのも彼だったと思います。

そんな訳で、今日は安全衛生コンサルタントから見た相撲の話です。最初に断っておきますが、私は相撲ファンとしては未熟です。優勝が決まる立会や、千秋楽なら見ますが、NPB観戦ほどの思い入れはありません(私は、昔は大洋ホエールズからのファンで、横浜スタジアムには、年2,3回は観戦に行きます)。そんな、素人の浅はかな意見としてお聞きください。

土俵の高さをなくしたらどうでしょうか

まるい円を床に描きそこで相撲をするのです。あるいは、土俵の高さを10cmくらいにするのです。なぜそんなことを言うかというと、「相撲をとる人の安全のため」です。相撲をテレビで観ていて、時々思うのですが、力士が土俵から、ころげ落ちていく様子や、飛び降りていく様子をみて、非常に危険だなと思いました。災害防止のためには、土俵の高さを調整するのが一番の対策です。

私の意見に対し、一笑に付す人、何をバカなことをと眉をひそめる人、これだから素人はと思う人、相撲の伝統をなんだと思っているのだと怒る人、様々だと思います。でも、私のような安全衛生の専門家の中には、意外と理解を示してくれる人がいるような気がします。

労働災害防止のためのリスクアセスメント理論によると、リスク削減対策は、(1)本質的対策、(2)工学的対策、(3)管理的対策の順番で行われることが効果的だと言われています。ここでいう、本質的対策とはハザードの除去を行うことです。

「力士が土俵から落ちてケガをする」という事故のハザードは「高さのある土俵」ということになります。従って、事故防止には、高さのない土俵を作ることが一番の対策であるということになります。

もちろん、土俵の高さを変えるということは、観客席を変えるということですから、建物自体を改築するということになります。しかし、災害をなくすための本質的対策というのは、設備投資を伴うことが多いのが現実です。それでも、安全のためには、企業は予算をかけなければばらないこともあるのです。

なんか,相撲ファンの99%があきれる提言をしてしまいました。でも、不幸な予測ですが、土俵から落ちて力士が大けがをした時に、もしかしたらこのような議論が起きるかもしれません。そのようなことにならないように祈ります。