
(秩父のゆるキャラ「ポテ丸」、by T.M)
7/17 UX新潟テレビ21
小千谷市に工場があるパワー半導体製造の『JSファンダリ』の破産申し立てを受けて、ハローワークが説明会を開きました。元従業員からは、解雇への憤りと不安の声が上がっています。
『JSファンダリ』が7月14日東京地裁に破産を申し立てたことを受けて、ハローワーク長岡は元従業員を対象に再就職の支援方法などを説明。小千谷市の工場では、約500人が働いていました。
解雇された元従業員は-
■元従業員(47)
「(解雇が)急だったので、ふざけるなという感じ。6月分の給料が出ていなくて、いつまでたっても具体的な支給日が連絡されない。」
■元従業員(47)
「会社の存続はできないのではないかという気はしていたが、まさか即日解雇だとは思わなかった。この先のことも不安だし、とりあえず心の準備をきめて今後のことも考えなければ。」
また、大光銀行は17日から再就職相談電話窓口を開設すると発表しました。
1900年代の終わりのことです。ある新工場が猛毒のフッ化水素を使用するという情報がはいったので、その事業場へ行ってきました。その工場は、従業員50人程度で、新工場といっても何か古い設備でしたが、は半導体の洗浄用のフッ化水素は、表彰したくなるくらい見事に安全衛生管理が徹底されていました。聞いてみると、そこはNECと日立製作所と三菱電機の半導体部門が合併してできた半導体を製造する新会社で、私が訪問した工場は研究所として使用されていて、来年には別工場に吸収されるので廃止されるということでした。
私は、それを聞いてビックリしました。世界に名だたる「メイド・イン・ジャパン」の中心企業が3つも集まってできる半導体製造工場だから、これで日本の製造業も安泰だなんて思いました。同じ頃、私の生まれ故郷の近くの横須賀リサーチパーク(YRP)は最盛期を向かえていました。関東地方のシリコンバレーになるべく、参加企業が目白押しでした。そんなエルピーダもYRPも今は昔の話です。
今回倒産した『JSファンダリ』は、今はなき三洋電機関係の半導体工場だということですが、よくもった方だと思います。電気自動車部品というニッチな半導体ですから、特殊技術があったと思いますが、電気自動車不況が足を引っ張ってしまったのでしょう。
倒産のやり方ですが、従業員の「即時解雇」とは驚きです。これは本当でしょうか?
ひどい解雇のやり方で、腹が立つ人多いと思いますが、ものは考えようです。引継ぎも清掃もすべて不要ですので、従業員は会社においてある自分の荷物をとりに行けばよいので、冷静に考えると「比較的楽」かもしれません。つまり、通常はひと月間の解雇予告があるはずが、それがないのですから、「賃金1ケ月分の解雇予告手当」が支払われます。解雇日までの1ケ月間働くより、同じだけ給料をもらえるのだから、働かなくて良いと割り切ってしまった方が精神的に楽です。
給与不払いを心配している人がいますが、それは100%支払われます(もしかして、少し遅れることはあるかもしれません)。今回は「夜逃げ」ではなく、「法律的倒産」なので、賃金は他の債権と比較して「先取特権」があるので大丈夫です。もし、会社財産が未払い賃金に充当されなくても、最後は「賃金の支払の確保等に関する法律(賃確法)」に基づき監督署がなんとかしてくれます。ひとつ懸念があるとしたら、立替払いの上限額が370万円なので、それ以上の退職金については不明だということです。
再就職を希望するすべての従業員が、よりよい職場に転職されることを祈ります。