バイトのくせに・・・

(紅葉、by T.M)

「バイトのくせに」「バイトだから責任感がない」「所詮、バイトは」・・・

これは、先週木曜日に放送されたドラマ「ドクターX」の中で、主人公大門未知子医師に浴びせられた罵声です。

ところが、ご存知のように、手術をさせたら、この大門医師を超える医師は組織の中にはいません。そして、医師の技術だけでなく、「患者ファースト」の医師としての志も、大門氏は並の医師をはるかに凌駕します。(さすがに、この「志」の部分は、大門氏に匹敵する医師が、ドラマ中に何人かでてきますが、腕とハートを兼ね備えるのは彼女のみです)

ドクターXの脚本家の中園ミホ氏は、ドクターXの第1シーズン(2012年)に先立つこと5年前に、「ハケンの品格」というドラマを脚本し、放送文化基金賞を受賞しています。

このドラマの主人公は篠原涼子さんが演じていましたが、「無数の資格を持つ、時給3000円を超えるSクラスランクの女性派遣社員」という設定であり、物語はその主人公が組織の者を超える活躍をする話ですが、テーマはドクターXと共通しています。

また、中園氏は、NHKの討論会において、「過労死は自己責任」「派遣社員は幸せだ」「労働基準監督署は不要だ」と述べる経済同友会の幹事の実業家奥谷礼子氏に対し、「いま私、ここの間に深くて大きい川が流れているような気がしたんですけど」と述べ反論したことでも知られています。

来年のNHKの大河ドラマ「西郷どん」は、その中園氏が脚本を担当します。今から、とても楽しみです。