お盆の時期にカミさんと東欧を旅行し、先々週の日曜日にはブダペストに居ましたが、その夜はお婆さんが一人で切盛りしている、小さなバーに行きました。そこは不思議な空間で、多くのアンティークな家具や人形が飾られている中で老犬と猫が出迎えてくれます。そんな店で、私が一番興味を惹かれたのは、Panasonic製のブラウン管テレビでした。
私は、このテレビの誕生に立ち会ったことがあるような錯覚を覚えました。今から約30年前に、Panasonic製のブラウン管テレビを組立てている工場の臨検監督をしたことがあるのですが、今では、そんな工場はどこにもなくなってしまいました。そして、監督官を辞める2,3年前(今から7,8年前)に、ブラウン管テレビ専門の処分場を臨検監督しました。ブラウン管テレビを処分する時に発生する有害物質に、そこで働く労働者が被曝していないかを確認する仕事でした。処分場に山のように積まれたブラウン管テレビを見た時に、一時代が終わったことを感じました。
日本ではブラウン管テレビがほぼ絶滅し、海外のホテルのテレビはほとんど韓国製や中国製になってしまった現在、メイドインジャパンの最盛期の製品に、日本と遠く離れた異国の地で巡り合ったことに深い感慨を覚えました。そして、こんな素敵なバーを紹介してくれたガイドさんに感謝しました。
ガイドさんは、ブダベストに旦那様と犬4匹と一緒に住む、日本人の40代の女性で、インターネットの「現地のガイド紹介」のサイトで依頼しましたが、とても聡明な方で、カミさんと私の好みを瞬時に理解し、この店を紹介してくれました。
前回のブログ記事で「Uber」のことを批判的に書きましたが、webを通した仕事の依頼に素敵な出会いがあることを経験しました。
(注:写真の奥にいるのは、この店の「犬」です)