( 河津川沿いのカワヅザクラの桜並木・河津町,by T.M)
まずは、COVID-19と戦っている全ての医療従事者にエールと感謝を表明したいと思います。東日本大震災の時は、何とかボランティアとでも思い、多くの人が色々な形で災害の現場に行きました。でも、今回の厄災については、医療従事者の方に委ねるしかありません。本当に、何もできない自分の不甲斐なさが情けなくなります。ただただ、医療従事者の方の安全と活躍を祈るばかりです。
さて、そんなコロナ騒動の中で、少し気になる情報がありました。
横浜市は、感染症指定医療機関である横浜市立市民病院の研修医を含む男女9人が、新たに新型コロナウイルスに感染したと発表しました。
横浜市は、新たに20代から60代の男女あわせて9人が新型コロナウイルスに感染したと発表しました。そのうち、60代の男性が重症です。また、20代の女性は横浜市立市民病院の研修医だということです。
研修医の女性は先月26日以降、鼻水や味覚障害などがあらわれ、検査をしたところ、今月1日に陽性が確認されました。横浜市立市民病院は感染症指定医療機関になっていて、新型コロナウイルスの患者を受け入れていますが、新型コロナウイルスの患者と女性の接触は確認されていないということです。病院は、濃厚接触者として入院患者など7人の健康観察を行うとともに、指導医4人と研修医45人を自宅待機としています。
(TBSニュースより引用)
私が気になったのは、この「研修医」という方々が、このブログでも以前取り上げた「無給医」の方ではないのか(?)ということです。そうでなければよいのですが・・・
「無給医」の問題は、以前からマスコミに問題になっている、「大学病院等で勤務する医師が、その業務を『自己研鑽のための研修』という名目で『賃金が支払われるべき労働』として認められていない」という問題のことです。
大分前から話題になっていますので、厚生労働省労働局はこの問題に方向性をつけていることと思います。でも、私が仕入れた、風の噂によると、進展していないものもあると聞きます。それがとても不安です。なぜなら、
「無給医の方は、業務上においてコロナウィルスに感染しても、労災扱いされない」
可能性があるからです。また、「無給医」のカテゴリーには「業務の一部にしか賃金が払われていない医師」も含まれるそうです。こういう、方々は仮に労災扱いされたとしても、
「労災で補償される時の基準である、平均賃金が著しく低くなっているので、補償額がとんでもなく少なくなる」
可能性があるのです。
無給医の方の労働については、現在「労働者が提供する労働」として取り扱われていないので、業務に起因する疾病であっても、「労働災害」として認められないという理窟も成立する場合があります。
コロナウィルス感染に係る医療従事者の労災認定については、すべてケースバイケースであり、今後の行政の判断はどうなるかは分かりませんが、私は元労働基準監督官として、医療従事者がコロナウィルスに感染した場合は、無条件に労災認定を行い、然るべき補償をすべきであると考えます。それが最前線で働く者への労働行政ができる支援です。
「無給医」の問題が放置されたままで、もし最前線で治療にあたっている該当の医師がいるとしたら、これは本当に大きな問題です。
厚生労働省労働基準局は、厚生労働省の医系の各部門と違い、今回のコロナウィルス対策問題では直接の業務に当たっていないはず。ならば、側面援護として、直ちに無給医の方が安心してコロナ対策に従事できる環境を整備することこそ、まずはやるべきことでしょう。