
(里山の旧家・山梨県甲州市「もしもしの家」、by T.M)
共同通信 3/17
石破茂首相は17日の参院予算委員会で、介護などを担うエッセンシャルワーカーや成長産業分野での人材確保に向け、特定の産業に適用される「特定最低賃金」の導入を検討する考えを示した。「賃金が上がっていかないと、この国の経済は持たないとの強い認識を持っている。政治主導できちんと判断したい」と述べた。
これ、けっこう影響は大きいですよ。ようやく決断してくたかという気分です。いい判断だと思います。現在でも、産業別最低賃金(特定最低賃金)の制度はありますが、導入には地域の労使の合意が必要等のハードルが高いものです。その制度を簡易化するというなら大歓迎です。
介護と物流関係者の最低賃金を上昇させることで、社会が一番必要としているところへ人材が回るようになると思います。
私は、この件については、ひとつアイディアを持っています。なにかというと、「最低手当」を創設するという考えです。
「雇用期間が1年未満の者及び派遣社員には、最低手当を支払うこと」というようにしたらどうでしょうか。
例えば、1年未満の契約を繰り返している非正規労働者については、時間当たりの支払わなければならない賃金を
最低賃金 + 最低手当
というように定めるのです。例えば、最低賃金1000円を定めた地域で最低手当が300円だとするなら、非正規雇用者に支払われるべき時給は最低で1300円となるようにするのです。非正規雇用者にこそ、高い水準の賃金が支払われるべきです。
もし、この「最低手当」を支払っていない場合は、「期間の定めなき雇用」ということになりますので、解雇・雇い止めのハードルが上がります。そして、「最低手当を支払っていないのに、非正規労働者扱いで解雇された労働者」については、当然遡及是正が求められます。
私がこんな考えに至ったのは、「派遣労働者」のことを思ったからです。労働基準監督官を昭和の終わりから平成の終わりまでしていましたが、その間に社会が大きく変わったなあと思ったのが、平成10年代の「製造業への派遣解禁」です。当時は、「派遣労働者」は「派遣業(派遣元)」の最賃が適用されていましたが、いつのまにか「派遣先」が適用される最賃が適用されるようになりました。昔は、「派遣先」の適用される最賃の方が「派遣業(派遣元)」が適用される最賃より高いので、このような制度に変更されたのです。
今回、石破首相が述べた、特定最低賃金が適用される業種に、「派遣業」が含まれると良いのですが、それには現行の制度を変えなければならず、かつ多くの非正規労働者には恩恵がないような気がしましたの、「最低手当」の設立も必要なのだと思いました。
何か、この考えを発表するところはないのかな(オンライン署名でも集めるかな!)