ブラック社労士

(カラフトフクロウ・智光山公園こども動物園、by T.M)

ABEMA TIMES 6/2

1日の参議院決算委員会で、立憲民主党の郡山りょう議員が、いわゆるブラック社労士の問題を取り上げた。

 郡山議員は冒頭、「今回、決算委員会、初めての質問となります。委員長をはじめとする理事会そし…理事会の皆様」と開始9秒でいきなり噛むと、周囲は笑い、「緊張している?」とツッコミも飛んだ。郡山議員が「緊張していますか。はい。このような機会をいただきありがとうございます」と続けると、周囲からは「元気に頑張れ!」と声援も飛んだ。

 質問で郡山議員はブラック社労士の問題に言及。「コロナ期の雇用調整助成金の不正受給が4557件、約1138億円不正受給をされている。その中で社会保険労務士、社労士が申請書類の作成代行に関与したとされる案件はどの程度あったか。関与社労士の行政指導、懲戒申し立て、刑事告発の状況と併せて実態を明らかにしていただきたい」と問いただした。

 これに対し厚生労働省の村山誠職業安定局長は「令和2年12月から7年12月末現在までに公表した社労士のうち、雇用調整助成金の不正受給に関与したのは30人程度で、件数としては延べ130件程度」とし、その都度実名を公表しているとした。

 郡山議員はさらに寄せられる情報に対して、社労士の懲戒処分が少ないことを指摘。「申し立て手続きが複雑で、被害を受けた労働者や事業者が利用しにくいとの声もある」と懲戒制度の実効性に疑問を投げかけた。そして「社労士は本来、使用者と労働者双方の利益を守る専門家であるはずです」とした上で、「ただ近年、解雇代行業者への助言や書類作成への加担、36協定の形骸化の支援、ハラスメント調査結果の隠蔽支援など、これがブラック社労士と言われるゆえんなんですが、ブラック社労士的行為が問題視されています。社労士法の欠格事由の見直しや、職務範囲、倫理規定の強化特に労働者の権利を侵害するような行為への明示的な禁止規定の整備について検討状況、そして前向きにしっかりと動いていく考えはあるのか」と詰め寄った。

「ブラック社労士」は確かに問題です。「社労士法の欠格事由の見直しや、職務範囲、倫理規定の強化」が必要なことは認めます。でも、言ってることはもっともですが、社労士制度の問題点の指摘については、指摘がずれているような気がします。「特に労働者の権利を侵害するような行為への明示的な禁止」これってどうなのかと思います。

質問をした議員さんは労働組合出身だそうですが、労組の方からみれば、会社側にたつ社労士は、悪質にみえると思います。でも、自分の敵だから「悪質」って言うのはないんじゃないのかな。(まあ、ひどい社労士はいるけど)

「雇用調整助成金の不正受給」の関与。これは、100%社労士が悪いものです。ですから、この件を理由とした懲戒処分は当然だと思います。

でも、「解雇代行業者への助言や書類作成への加担」って、いうのはどうでしょうか。最初見た時に「退職代行業」かと思ったら「解雇代行業」のことだそうです。世の中、とんでもない方向に進んでいるんだなと思いました。確かに、「解雇代行業」って顰蹙ものだと思いますが、合法です。「退職代行」が合法なら、「解雇代行」も合法。民間企業が行う合法的な職種を国会議員が批難して良いんでしょうか。だったら、率先して「解雇代行業の禁止法案」を作るべきだと思います。

あと、「36協定の形骸化の支援」ですが、問題点は明らかです。36協定の一方の協定締結者である「労働者代表」を選出することが、難しいんです。巷では、PTA役員や地域の自治会役員のなり手がいないと言われています。そういう社会風潮の中で、「労働者代表」に自ら進んでなる者は少数派です。労働基準監督官をしていた時に、会社の悪口ばかり言う労働者と何回も話をしましたけど、そういう人にかぎって、「労働組合をつくってみたら」と勧めても絶対に動こうとしませんでした。それでも36協定を締結しなければならないから、会社は自ら候補を探すことになる。そういったお膳立てをまかされるのが、社労士です。社労士は「監督署に提出する書類は作るから、後はそれに署名押印するかは、そっちが決めてくれ。悪いところがあったら指摘してくれ」といったスタンスを持つ方が多いと思います。

社労士の中に悪質な人がいることは認めます。でも大多数はプロ意識をもち、自分の仕事を全うしている人です。そして、プロ意識があればあるほど、労働組合等とは対立することはあるのです。労働組合出身の議員は社労士を非難することは、少し割り引いて聞く必要があると思います。

来週は病院に行きます。お休みします。再開は6月21日です。病状に落ち込んだら、延期します。

お休みします

当ブログに訪問頂きまして、まことにありがとうございます。

申し訳ございませんが、今週はブログ更新をお休みします。

役所の対応

(ミーアキャット・智光山公園こども動物園、by T.M)

毎日新聞 5/19

千葉県市川市のモスク(イスラム教の礼拝堂)が、イスラム教の祭り「犠牲祭」に合わせた文化交流事業のため市立公園の使用を申請したところ、市から取り下げを求められたことがわかった。モスクが明らかにした。公園の利用はこれまで認められてきたといい、突然の方針転換にモスクは困惑している。

今さら、外国人問題をこのブログで取り上げるつもりはありませんが、この「取り下げを求める」ということに違和感を覚えました。

話はかわりますが、私が勤務する某労働災害防止団体での出来事です。同僚からこんな質問を受けました。(彼は「安全管理士」という専門職です。もっとも、私もそうですけど)

「労働基準監督署が、有機溶剤中毒予防規則第3条の認定申請書を受理してくれない。どうしたらよいか」

専門的なことを書くことは省きますが、有害化学物質の消費量が少ない会社が、「消費量が少ない」ことを理由に、法に規定された局所排気装置の使用等を免除してもらう認定申請に関する書類を監督署に持っていったところ、窓口で認定できないと言われたので、その会社は認定申請せずに帰ってきたということでした。

この会社に認定申請をしろと指導したのは、私の同僚ですので、それを窓口で突っ返されたのが面白くなさそうです。

詳細に話を聞くと、技術的な内容で監督署の言い分も同僚の言い分も、もっともなところがあります(「許容消費量」の解釈の問題です・・・省略します)。

そこで、私は同僚に次のようにアドバイスしました。

「もう1度監督署に行って、結果が不認定で良いから申請書を受理するように要求しろ。拒むようなら、行政手続法違反だから、上局か厚生労働省に文句をつけるぞといって脅かせ」

実は、窓口指導で申請を拒むということは、役人にとって一番楽なことなんです。何しろ、なんか問題があった場合に、「話し合い中だった」とか「指導中だった」という言い訳で逃げることができるからです。逆に、申請書に対し「不許可」とか「不認定」という措置をする場合は、けっこう気をつかうんです。なぜなら、その理由を明らかにしなければならないですし、理由如何によっては、相手側から審査請求や裁判を起こされる可能性があるからです。もちろん、裁判を起こされたからといって、自分が正しいと思っていれば堂々としていれば良いのですが、前述のように双方に言い分がある場合は行政側も慎重に成らざるえないのです。

逆に言うと「窓口対応」だけですまそうとするのは、行政の怠慢と思われれても仕方ありません。形式要件が整っていれば、申請書を受理するのは役所の義務なんです。

さて、冒頭の新聞記事についてですが、「取り下げを求める」ということは、「窓口対応」として処理しようとしていることですから、役所の業務として不適切だと思います。「許可」「不許可」の判断を行わないことこそ、最大の問題なのです。その役所の曖昧な態度が外国人問題をより迷走させているのではないでしょうか。

再開します

(ポルシェセンターみなとみらい・by T.M)

お久しぶりです。

2ケ月ぶりにブログ再開します。

今回の休養期間中に、「左目」と某内蔵に健康障害が発見されました。このブログを始めた10年前は、ギランバレーの影響で呼吸困難だったんですが、60歳を過ぎたころに治りましたが、68歳の現在は加齢により健康を損なっています。ギランバレーの時にお世話のなった横浜市大病院にまたお世話になります。

毎週日曜日にブログ更新していましたが、今後は休載も多くなることをご容赦下さい。

新潟市の北越高校バス事故について、色々言われていますが、元労働基準監督官として思ったことを書きます。

まずは、バス運転手の労働者性についてです。バス運転手が学校が雇用する労働者であったかかどうか、。バス会社からの労働者であったのか、それとも運転を委託された個人事業主であるかどうかは、事故原因の本質に関わることであり、ブログで軽々と書くべき問題ではないと思います。しかし、ひとつだけ言えることは運転手の体調管理について、雇用する側、あるいは仕事を依頼する側に異常を確認する義務があったということです。操作の進展に興味があります。

私が今回の事故について気になるのは、一緒に行った「顧問の先生」についてです。この先生は、「自家用車」を運転して現場に行ったため、バスに同乗していなかったということです。では、この先生が当日の試合会場に行く途中、あるいは帰路に事故にあったらこれは労災でしょうか、通災でしょうか、あるいは私事を行っていたうえでの事故なので業務外でしょうか?

労災事故の認定の問題で、よく事例に上がるのが「休日のクラブ活動に参加していた教師の事故」が労災になるのかというものがあります。

当然労災のような気もしますが、実はその日の日当(休日手当)が教師に支払われていないなんてことがよくあるんです。給料も払われていない時間帯の行為が業務上といえるのか、難しい問題です。

もちろん、これは学校側(経営者側)が教師の善意につけこんだ「やりがい搾取」なんですが、学校現場ではよくあることです。

今回の事故については、バスの手配については学校側が関係していたようなので、学校が完全に無関係ということにはなりませんが、はたして教師の「労働時間内に発生した生徒の事故」であるかどうかについては、今後問題となりそうな気がします。

以前、お伝えした中災防出版の「安全衛生のひろば」の連載記事について、月1階の原稿用紙5枚といえどもけっこうしんどくなってきました。読んだ方、励みになるのでぜひ感想を聞かせて下さい。お願いします。

10年目の休暇

(クリスタルラインのジムニーと富士山・山梨県山梨市、by T.M)

3/16 南日本新聞

鹿児島県は13日の県議会総務警察委員会で、職員の働き方改革の一環として、2027年10月からフレックスタイム制を導入する方針を明らかにした。学校教員や会計年度任用職員以外の全職員が対象で、4週間単位の総勤務時間155時間を維持しつつ、始業・終業時間を柔軟に決められるようになる。

県人事課によると、必ず働く時間帯「コアタイム」として午前10時~午後3時を設定。その上で午前7時~午後10時を始業・終業時間に設定できる。週1日に限り勤務時間を割り振らない日を設けられ「週休3日」も可能となる。

 制度の利用は職員が選択する。従来通り、午前8時半~午後5時15分の勤務や時差出勤、在宅勤務なども選ぶことができる。県議会3月定例会で関連条例を改正し、26年度からシステム改修を進める計画。同課は「公務運営に支障がないことが前提。生活の質の向上や健康確保、能力発揮に生かしてほしい」とする。

 その他に県は4月から、現在正午からの1時間を基本とする休憩時間に、午前11時半と午後0時半開始の区分を新設する。27年10月からは、子の送迎など時間的な制約がある育児や介護を担う職員に配慮し、休憩時間を45分間まで短縮することも可能とする。

これはすごいいい記事だと思います。なにより、子育て・介護を行っている人には朗報だと思います。でも、気になることがいくつかあります。ランダムに書きます。

まず、第一点に「土曜日・日曜日」の扱いはどうなるのでしょうか。役所ですから週休2日制です。例えば、子育て共働き夫婦で、普段の日は1日6時間労働として、土曜日・日曜日に休日出勤10時間をして、週40時間制を確保するといったことは可能でしょうか? 休日労働は、残業代の割増等で通常の残業とは違う考えをとります。フレック制度の清算時間に休日労働を含めるかどうか(ただし、「法定休日」として週1日は必ず休むとします。ここで問題にしているのは「所定休日」のほうです)。これは、労働者にとって、メリットとデメリットがあります。休日出勤を清算時間に含めた場合は「休日出勤の割増賃金が支払われない」ことが懸念されますが、労働時間の柔軟性は増します。その逆の場合もあるということです。

気になる点の第二番目は、どうしてもこのような変化を受け入れられない者が組織の中に一定数いるということです。彼らは次のように主張します。「自由な出退勤を認めたら、他の者に負担がかかる」 これ、有給休暇取得でも、育児休暇取得でも、一定数必ずこういう人っているんですよね。まあ、主張したくなる気は分かるけど、「負担がかかる」かどうかの客観的な指標は結局「労働時間が増えたかどうか」しかないのだから、一人当たりの労働時間が増えたなら、その部署の残業代が多くなり、管理職とその企業の対処が問題となるだけなんですよ。「負担がふえる」ということを言うべきなのは管理職なのであって、そしてそれを言う相手は組織の上ということになるので、職場の同僚が言うべきではないと思います(もちろん感情的な部分は別)

さて、このブログも10年間続けてきて、ついに11年目に突入します。この10年、色々なことがありました。10年前に神奈川労働局を退職した時は、労働安全衛生コンサルタントとして喰っていけるのかと心配でしたが、なんとかなりました。このへんで休みを取りたくなりましたので、ひと月ほど休みます。再開は5月の予定です。