お休みします

当ブログに訪問頂きまして、まことにありがとうございます。

申し訳ございませんが、今週はブログ更新をお休みします。

役所の対応

(ミーアキャット・智光山公園こども動物園、by T.M)

毎日新聞 5/19

千葉県市川市のモスク(イスラム教の礼拝堂)が、イスラム教の祭り「犠牲祭」に合わせた文化交流事業のため市立公園の使用を申請したところ、市から取り下げを求められたことがわかった。モスクが明らかにした。公園の利用はこれまで認められてきたといい、突然の方針転換にモスクは困惑している。

今さら、外国人問題をこのブログで取り上げるつもりはありませんが、この「取り下げを求める」ということに違和感を覚えました。

話はかわりますが、私が勤務する某労働災害防止団体での出来事です。同僚からこんな質問を受けました。(彼は「安全管理士」という専門職です。もっとも、私もそうですけど)

「労働基準監督署が、有機溶剤中毒予防規則第3条の認定申請書を受理してくれない。どうしたらよいか」

専門的なことを書くことは省きますが、有害化学物質の消費量が少ない会社が、「消費量が少ない」ことを理由に、法に規定された局所排気装置の使用等を免除してもらう認定申請に関する書類を監督署に持っていったところ、窓口で認定できないと言われたので、その会社は認定申請せずに帰ってきたということでした。

この会社に認定申請をしろと指導したのは、私の同僚ですので、それを窓口で突っ返されたのが面白くなさそうです。

詳細に話を聞くと、技術的な内容で監督署の言い分も同僚の言い分も、もっともなところがあります(「許容消費量」の解釈の問題です・・・省略します)。

そこで、私は同僚に次のようにアドバイスしました。

「もう1度監督署に行って、結果が不認定で良いから申請書を受理するように要求しろ。拒むようなら、行政手続法違反だから、上局か厚生労働省に文句をつけるぞといって脅かせ」

実は、窓口指導で申請を拒むということは、役人にとって一番楽なことなんです。何しろ、なんか問題があった場合に、「話し合い中だった」とか「指導中だった」という言い訳で逃げることができるからです。逆に、申請書に対し「不許可」とか「不認定」という措置をする場合は、けっこう気をつかうんです。なぜなら、その理由を明らかにしなければならないですし、理由如何によっては、相手側から審査請求や裁判を起こされる可能性があるからです。もちろん、裁判を起こされたからといって、自分が正しいと思っていれば堂々としていれば良いのですが、前述のように双方に言い分がある場合は行政側も慎重に成らざるえないのです。

逆に言うと「窓口対応」だけですまそうとするのは、行政の怠慢と思われれても仕方ありません。形式要件が整っていれば、申請書を受理するのは役所の義務なんです。

さて、冒頭の新聞記事についてですが、「取り下げを求める」ということは、「窓口対応」として処理しようとしていることですから、役所の業務として不適切だと思います。「許可」「不許可」の判断を行わないことこそ、最大の問題なのです。その役所の曖昧な態度が外国人問題をより迷走させているのではないでしょうか。

再開します

(ポルシェセンターみなとみらい・by T.M)

お久しぶりです。

2ケ月ぶりにブログ再開します。

今回の休養期間中に、「左目」と某内蔵に健康障害が発見されました。このブログを始めた10年前は、ギランバレーの影響で呼吸困難だったんですが、60歳を過ぎたころに治りましたが、68歳の現在は加齢により健康を損なっています。ギランバレーの時にお世話のなった横浜市大病院にまたお世話になります。

毎週日曜日にブログ更新していましたが、今後は休載も多くなることをご容赦下さい。

新潟市の北越高校バス事故について、色々言われていますが、元労働基準監督官として思ったことを書きます。

まずは、バス運転手の労働者性についてです。バス運転手が学校が雇用する労働者であったかかどうか、。バス会社からの労働者であったのか、それとも運転を委託された個人事業主であるかどうかは、事故原因の本質に関わることであり、ブログで軽々と書くべき問題ではないと思います。しかし、ひとつだけ言えることは運転手の体調管理について、雇用する側、あるいは仕事を依頼する側に異常を確認する義務があったということです。操作の進展に興味があります。

私が今回の事故について気になるのは、一緒に行った「顧問の先生」についてです。この先生は、「自家用車」を運転して現場に行ったため、バスに同乗していなかったということです。では、この先生が当日の試合会場に行く途中、あるいは帰路に事故にあったらこれは労災でしょうか、通災でしょうか、あるいは私事を行っていたうえでの事故なので業務外でしょうか?

労災事故の認定の問題で、よく事例に上がるのが「休日のクラブ活動に参加していた教師の事故」が労災になるのかというものがあります。

当然労災のような気もしますが、実はその日の日当(休日手当)が教師に支払われていないなんてことがよくあるんです。給料も払われていない時間帯の行為が業務上といえるのか、難しい問題です。

もちろん、これは学校側(経営者側)が教師の善意につけこんだ「やりがい搾取」なんですが、学校現場ではよくあることです。

今回の事故については、バスの手配については学校側が関係していたようなので、学校が完全に無関係ということにはなりませんが、はたして教師の「労働時間内に発生した生徒の事故」であるかどうかについては、今後問題となりそうな気がします。

以前、お伝えした中災防出版の「安全衛生のひろば」の連載記事について、月1階の原稿用紙5枚といえどもけっこうしんどくなってきました。読んだ方、励みになるのでぜひ感想を聞かせて下さい。お願いします。

10年目の休暇

(クリスタルラインのジムニーと富士山・山梨県山梨市、by T.M)

3/16 南日本新聞

鹿児島県は13日の県議会総務警察委員会で、職員の働き方改革の一環として、2027年10月からフレックスタイム制を導入する方針を明らかにした。学校教員や会計年度任用職員以外の全職員が対象で、4週間単位の総勤務時間155時間を維持しつつ、始業・終業時間を柔軟に決められるようになる。

県人事課によると、必ず働く時間帯「コアタイム」として午前10時~午後3時を設定。その上で午前7時~午後10時を始業・終業時間に設定できる。週1日に限り勤務時間を割り振らない日を設けられ「週休3日」も可能となる。

 制度の利用は職員が選択する。従来通り、午前8時半~午後5時15分の勤務や時差出勤、在宅勤務なども選ぶことができる。県議会3月定例会で関連条例を改正し、26年度からシステム改修を進める計画。同課は「公務運営に支障がないことが前提。生活の質の向上や健康確保、能力発揮に生かしてほしい」とする。

 その他に県は4月から、現在正午からの1時間を基本とする休憩時間に、午前11時半と午後0時半開始の区分を新設する。27年10月からは、子の送迎など時間的な制約がある育児や介護を担う職員に配慮し、休憩時間を45分間まで短縮することも可能とする。

これはすごいいい記事だと思います。なにより、子育て・介護を行っている人には朗報だと思います。でも、気になることがいくつかあります。ランダムに書きます。

まず、第一点に「土曜日・日曜日」の扱いはどうなるのでしょうか。役所ですから週休2日制です。例えば、子育て共働き夫婦で、普段の日は1日6時間労働として、土曜日・日曜日に休日出勤10時間をして、週40時間制を確保するといったことは可能でしょうか? 休日労働は、残業代の割増等で通常の残業とは違う考えをとります。フレック制度の清算時間に休日労働を含めるかどうか(ただし、「法定休日」として週1日は必ず休むとします。ここで問題にしているのは「所定休日」のほうです)。これは、労働者にとって、メリットとデメリットがあります。休日出勤を清算時間に含めた場合は「休日出勤の割増賃金が支払われない」ことが懸念されますが、労働時間の柔軟性は増します。その逆の場合もあるということです。

気になる点の第二番目は、どうしてもこのような変化を受け入れられない者が組織の中に一定数いるということです。彼らは次のように主張します。「自由な出退勤を認めたら、他の者に負担がかかる」 これ、有給休暇取得でも、育児休暇取得でも、一定数必ずこういう人っているんですよね。まあ、主張したくなる気は分かるけど、「負担がかかる」かどうかの客観的な指標は結局「労働時間が増えたかどうか」しかないのだから、一人当たりの労働時間が増えたなら、その部署の残業代が多くなり、管理職とその企業の対処が問題となるだけなんですよ。「負担がふえる」ということを言うべきなのは管理職なのであって、そしてそれを言う相手は組織の上ということになるので、職場の同僚が言うべきではないと思います(もちろん感情的な部分は別)

さて、このブログも10年間続けてきて、ついに11年目に突入します。この10年、色々なことがありました。10年前に神奈川労働局を退職した時は、労働安全衛生コンサルタントとして喰っていけるのかと心配でしたが、なんとかなりました。このへんで休みを取りたくなりましたので、ひと月ほど休みます。再開は5月の予定です。

役所の非常勤職員

(山梨県立美術館のカフェ、by T.M)

毎日新聞 3/10

非正規で働く公務員の「会計年度任用職員」の雇用問題に取り組んでいる労組が、非正規公務員から寄せられた労働相談の内容をまとめた。相談内容はハラスメントが最多だったが、仕事の雇い止めやサービス残業などが重複して起こっているケースが多く、担当者は「(非正規雇用の)制度や職場慣行に起因する構造的な問題だ」と指摘している。

 相談内容をまとめたのは労働組合の全国組織の全労連。昨年12月に、非正規公務員を対象にした全国一斉の電話相談を実施した。380件の電話があり、うち172人の相談に応じた。そのうち分類可能な相談100件(複数回答有り)を分析したところ、相談が最も多かったのがハラスメント(パワハラ、モラハラなど)で58%。次いで、雇い止め・更新拒否(46%)▽賃金不払い・サービス残業(39%)▽長時間労働・業務過多(34%)▽正規・非正規の格差(31%)――などだった。ハラスメントの相談の多くは、雇い止めや賃金不払いなどと重複してあった。

 ホットラインに相談した沖縄県の公立図書館で非正規の司書として働く女性(45)は、8年間続けた仕事を3月末で雇い止めになると通告された。役所は図書館職員を公募するとし、女性らが応募したが、不合格とされ雇い止めにされた。女性の他にも10年以上の経験があり、図書館運営の中心で働いていた非正規の司書も不合格で雇い止めとされた。専門職だが、募集要項に資格要件はなかった。女性は「自分の勤務評定も含め、なぜ不合格なのかは一切明らかにされない。専門職を低賃金で雇用不安の中で働かせるのは許せない」と話した。

 ほかにも、「月20時間も残業しているのに残業代が支払われない」(学校栄養職)や「正規の先生に『あの人は先生ではないから』と生徒の前で言われた」(非常勤学校講師)など多数の相談があった。

 同労組の黒沢幸一事務局長は「非正規公務員が置かれている1年雇用などの不安定な立場が、ハラスメントや違法な労働慣行を生む温床になっている。制度の改善が必要だ」と話している。

労働基準監督署で臨時職員の採用の面接官をしたことがあります。その時に困ったのは、「職を探している子持ちの訳あり女性」とか「50歳で失業して職を探している人」等について採用を控えなければならなかったことです。どれだけ優秀な方でも、意欲溢れている方でも採用しませんでした。なぜって、「責任がもてない」からです。これは、組織の暗黙の了解でもありました。

面接官としては困っている人を採用したいんですよね。でも、契約期間が最初から決められています。もし採用して、どうしても契約を更新たいと思っても、予算の申請を毎年行わなくてはならず、それが通るかどうかは分かりません。そんな不安定な職に、安定した職を切望している方を採用できないのです。

だから、採用するのは「以前は企業で働いていた専業主婦で子育てが終わり小遣い稼ぎで働きたい人」とか、「年金もらっているが、時間つぶしに働きたい高齢者」が多くなってしまうんです。

一番、採用したかったのは65歳以上の行政OBです。退職直後の60歳前後のOBで、非常勤職員に応募というのは、何か本人に問題があるケースがあることが多いのですが、65歳になって第二の就職先も定年となった優秀なOBは、仕事が分かっている人が多いので大歓迎でした。採用担当者としては、複雑な気持ちでした。

さて、上記の新聞記事についてですが、「労働条件の運用」については働く人の希望を受け入れ正規職員より柔軟に、そして場合によっては正規職員より良い労働条件を示すべきであると思います。しかし、「安定した継続雇用」となると、なかなか難しいというのが雇用する側の本音であるような気がします。