宗教的行事

(白秋記念館・小田原、by T.M)

産経新聞 6/20

小泉進次郎防衛相は18日の参院外交防衛委員会で、自衛隊駐屯地で営まれた神式の「安全祈願祭」を取り上げた社民党の福島瑞穂党首が、福島第1原発事故後の子供向け甲状腺検査に関する政府答弁を引用して「参加の強制性」に関する質問をしたことに対し、全く違う文脈の中での「答弁の切り取り」であり「理解に苦しむ。同一視してほしくない」と不快感を示した。福島氏は、4月に陸上自衛隊玖珠(くす)駐屯地で営まれた神式の「安全祈願祭」に駐屯地幹部を含む数百人が参列していたことについて、「信教の自由がある中で事実上の強制ではないか」と問題視した。

横浜のみなとみらい地区の近くに伊勢山皇太神宮という神社がありますが、場所が良いためか、あるいは御利益がいいためか、たくさんの参拝客が訪れます。初詣の参拝客では、横浜ナンバー1だそうです。

(注)横浜近辺在住の方以外の方に説明すると、横浜市民の初詣先は「鎌倉市内の鶴岡八幡宮」と「川崎市内の川崎大師」がナンバー1とナンバー2を占め、横浜市内だけに限ると、ちょっとマイナーなこの神社が初詣ナンバー1となります。

今年の1月5日(月)にこの神社に初詣に行きました。三が日を外した参拝ですので、少しは空いているかと思ったのですが、思いがけぬほど混雑していて驚きました。背広姿の方や作業服姿の方が多数いたので、私はようやく気付きました

「今日(5日)は、企業関係の方が安全祈願に来てるんだ」。

そういえば、私も労働基準監督官をしていた時に、年の初めに、労働基準協会や建設業労働災害防止団体を通し、地域の神社や仏閣に「業務として」安全祈願に行ったことがあります。(というか、その立場にあった時は毎年行っていました)

また、私が第一課長をしている時に署長と2人で出張の時に、勤務時間中に安全祈願に行ったことがあります。その時は管内で死亡災害が多発し、藁にもすがる思いでお参りをしました。

さて、冒頭の福島瑞穂議員の国会での質問ですけど、戦前の軍隊の在り方と現在の自衛隊について難しい問題はあると思いますけど、何が言いたいのかよく分かりません。

現在でも地域の労働基準監督署が、労働基準協会や建設業労働災害防止団体の方と安全祈願に行っているかどうかは、私は知りません。でも、そのような慣習が続いていたとしても、職員が「自分はキリスト教徒だから、行かない」というケースはないような気がします。なぜなら、自分が信仰していない宗教であったとしても、それを多くの他の方(例えば、災害防止団体の方)が祈ることによって、労働災害防止に新たな気構えとなることができるなら、一緒の参拝を断る理由はないからです。宗教や信ずることは違っても、労働災害防止の思いは同じですから、安全祈願に同行することは構わないと思う職員がほとんどだと思います。

もっとも、そういうことを「仕事だから」とすることは「強制だ」と思う職員がいたとしても、組織の中では「ああ、そうですか。じゃ、違う人が行きましょう」となることも事実です。

あともうひとつ。私のカミさんは宮城県石巻市出身で、東日本大震災の時は親戚が10人以上なくなったことは、このブログでも何回か書きましたが、その震災の時の話です。ガレキの撤去をしていた自衛隊は、遺体を見つけると、泥を水で洗浄し清め、その後で「線香」をあげたそうです。これもまた「宗教的行事」であり、やってはいけないことだったのでしょうか?

ブラック社労士

(カラフトフクロウ・智光山公園こども動物園、by T.M)

ABEMA TIMES 6/2

1日の参議院決算委員会で、立憲民主党の郡山りょう議員が、いわゆるブラック社労士の問題を取り上げた。

 郡山議員は冒頭、「今回、決算委員会、初めての質問となります。委員長をはじめとする理事会そし…理事会の皆様」と開始9秒でいきなり噛むと、周囲は笑い、「緊張している?」とツッコミも飛んだ。郡山議員が「緊張していますか。はい。このような機会をいただきありがとうございます」と続けると、周囲からは「元気に頑張れ!」と声援も飛んだ。

 質問で郡山議員はブラック社労士の問題に言及。「コロナ期の雇用調整助成金の不正受給が4557件、約1138億円不正受給をされている。その中で社会保険労務士、社労士が申請書類の作成代行に関与したとされる案件はどの程度あったか。関与社労士の行政指導、懲戒申し立て、刑事告発の状況と併せて実態を明らかにしていただきたい」と問いただした。

 これに対し厚生労働省の村山誠職業安定局長は「令和2年12月から7年12月末現在までに公表した社労士のうち、雇用調整助成金の不正受給に関与したのは30人程度で、件数としては延べ130件程度」とし、その都度実名を公表しているとした。

 郡山議員はさらに寄せられる情報に対して、社労士の懲戒処分が少ないことを指摘。「申し立て手続きが複雑で、被害を受けた労働者や事業者が利用しにくいとの声もある」と懲戒制度の実効性に疑問を投げかけた。そして「社労士は本来、使用者と労働者双方の利益を守る専門家であるはずです」とした上で、「ただ近年、解雇代行業者への助言や書類作成への加担、36協定の形骸化の支援、ハラスメント調査結果の隠蔽支援など、これがブラック社労士と言われるゆえんなんですが、ブラック社労士的行為が問題視されています。社労士法の欠格事由の見直しや、職務範囲、倫理規定の強化特に労働者の権利を侵害するような行為への明示的な禁止規定の整備について検討状況、そして前向きにしっかりと動いていく考えはあるのか」と詰め寄った。

「ブラック社労士」は確かに問題です。「社労士法の欠格事由の見直しや、職務範囲、倫理規定の強化」が必要なことは認めます。でも、言ってることはもっともですが、社労士制度の問題点の指摘については、指摘がずれているような気がします。「特に労働者の権利を侵害するような行為への明示的な禁止」これってどうなのかと思います。

質問をした議員さんは労働組合出身だそうですが、労組の方からみれば、会社側にたつ社労士は、悪質にみえると思います。でも、自分の敵だから「悪質」って言うのはないんじゃないのかな。(まあ、ひどい社労士はいるけど)

「雇用調整助成金の不正受給」の関与。これは、100%社労士が悪いものです。ですから、この件を理由とした懲戒処分は当然だと思います。

でも、「解雇代行業者への助言や書類作成への加担」って、いうのはどうでしょうか。最初見た時に「退職代行業」かと思ったら「解雇代行業」のことだそうです。世の中、とんでもない方向に進んでいるんだなと思いました。確かに、「解雇代行業」って顰蹙ものだと思いますが、合法です。「退職代行」が合法なら、「解雇代行」も合法。民間企業が行う合法的な職種を国会議員が批難して良いんでしょうか。だったら、率先して「解雇代行業の禁止法案」を作るべきだと思います。

あと、「36協定の形骸化の支援」ですが、問題点は明らかです。36協定の一方の協定締結者である「労働者代表」を選出することが、難しいんです。巷では、PTA役員や地域の自治会役員のなり手がいないと言われています。そういう社会風潮の中で、「労働者代表」に自ら進んでなる者は少数派です。労働基準監督官をしていた時に、会社の悪口ばかり言う労働者と何回も話をしましたけど、そういう人にかぎって、「労働組合をつくってみたら」と勧めても絶対に動こうとしませんでした。それでも36協定を締結しなければならないから、会社は自ら候補を探すことになる。そういったお膳立てをまかされるのが、社労士です。社労士は「監督署に提出する書類は作るから、後はそれに署名押印するかは、そっちが決めてくれ。悪いところがあったら指摘してくれ」といったスタンスを持つ方が多いと思います。

社労士の中に悪質な人がいることは認めます。でも大多数はプロ意識をもち、自分の仕事を全うしている人です。そして、プロ意識があればあるほど、労働組合等とは対立することはあるのです。労働組合出身の議員は社労士を非難することは、少し割り引いて聞く必要があると思います。

来週は病院に行きます。お休みします。再開は6月21日です。病状に落ち込んだら、延期します。

お休みします

当ブログに訪問頂きまして、まことにありがとうございます。

申し訳ございませんが、今週はブログ更新をお休みします。

役所の対応

(ミーアキャット・智光山公園こども動物園、by T.M)

毎日新聞 5/19

千葉県市川市のモスク(イスラム教の礼拝堂)が、イスラム教の祭り「犠牲祭」に合わせた文化交流事業のため市立公園の使用を申請したところ、市から取り下げを求められたことがわかった。モスクが明らかにした。公園の利用はこれまで認められてきたといい、突然の方針転換にモスクは困惑している。

今さら、外国人問題をこのブログで取り上げるつもりはありませんが、この「取り下げを求める」ということに違和感を覚えました。

話はかわりますが、私が勤務する某労働災害防止団体での出来事です。同僚からこんな質問を受けました。(彼は「安全管理士」という専門職です。もっとも、私もそうですけど)

「労働基準監督署が、有機溶剤中毒予防規則第3条の認定申請書を受理してくれない。どうしたらよいか」

専門的なことを書くことは省きますが、有害化学物質の消費量が少ない会社が、「消費量が少ない」ことを理由に、法に規定された局所排気装置の使用等を免除してもらう認定申請に関する書類を監督署に持っていったところ、窓口で認定できないと言われたので、その会社は認定申請せずに帰ってきたということでした。

この会社に認定申請をしろと指導したのは、私の同僚ですので、それを窓口で突っ返されたのが面白くなさそうです。

詳細に話を聞くと、技術的な内容で監督署の言い分も同僚の言い分も、もっともなところがあります(「許容消費量」の解釈の問題です・・・省略します)。

そこで、私は同僚に次のようにアドバイスしました。

「もう1度監督署に行って、結果が不認定で良いから申請書を受理するように要求しろ。拒むようなら、行政手続法違反だから、上局か厚生労働省に文句をつけるぞといって脅かせ」

実は、窓口指導で申請を拒むということは、役人にとって一番楽なことなんです。何しろ、なんか問題があった場合に、「話し合い中だった」とか「指導中だった」という言い訳で逃げることができるからです。逆に、申請書に対し「不許可」とか「不認定」という措置をする場合は、けっこう気をつかうんです。なぜなら、その理由を明らかにしなければならないですし、理由如何によっては、相手側から審査請求や裁判を起こされる可能性があるからです。もちろん、裁判を起こされたからといって、自分が正しいと思っていれば堂々としていれば良いのですが、前述のように双方に言い分がある場合は行政側も慎重に成らざるえないのです。

逆に言うと「窓口対応」だけですまそうとするのは、行政の怠慢と思われれても仕方ありません。形式要件が整っていれば、申請書を受理するのは役所の義務なんです。

さて、冒頭の新聞記事についてですが、「取り下げを求める」ということは、「窓口対応」として処理しようとしていることですから、役所の業務として不適切だと思います。「許可」「不許可」の判断を行わないことこそ、最大の問題なのです。その役所の曖昧な態度が外国人問題をより迷走させているのではないでしょうか。

再開します

(ポルシェセンターみなとみらい・by T.M)

お久しぶりです。

2ケ月ぶりにブログ再開します。

今回の休養期間中に、「左目」と某内蔵に健康障害が発見されました。このブログを始めた10年前は、ギランバレーの影響で呼吸困難だったんですが、60歳を過ぎたころに治りましたが、68歳の現在は加齢により健康を損なっています。ギランバレーの時にお世話のなった横浜市大病院にまたお世話になります。

毎週日曜日にブログ更新していましたが、今後は休載も多くなることをご容赦下さい。

新潟市の北越高校バス事故について、色々言われていますが、元労働基準監督官として思ったことを書きます。

まずは、バス運転手の労働者性についてです。バス運転手が学校が雇用する労働者であったかかどうか、。バス会社からの労働者であったのか、それとも運転を委託された個人事業主であるかどうかは、事故原因の本質に関わることであり、ブログで軽々と書くべき問題ではないと思います。しかし、ひとつだけ言えることは運転手の体調管理について、雇用する側、あるいは仕事を依頼する側に異常を確認する義務があったということです。操作の進展に興味があります。

私が今回の事故について気になるのは、一緒に行った「顧問の先生」についてです。この先生は、「自家用車」を運転して現場に行ったため、バスに同乗していなかったということです。では、この先生が当日の試合会場に行く途中、あるいは帰路に事故にあったらこれは労災でしょうか、通災でしょうか、あるいは私事を行っていたうえでの事故なので業務外でしょうか?

労災事故の認定の問題で、よく事例に上がるのが「休日のクラブ活動に参加していた教師の事故」が労災になるのかというものがあります。

当然労災のような気もしますが、実はその日の日当(休日手当)が教師に支払われていないなんてことがよくあるんです。給料も払われていない時間帯の行為が業務上といえるのか、難しい問題です。

もちろん、これは学校側(経営者側)が教師の善意につけこんだ「やりがい搾取」なんですが、学校現場ではよくあることです。

今回の事故については、バスの手配については学校側が関係していたようなので、学校が完全に無関係ということにはなりませんが、はたして教師の「労働時間内に発生した生徒の事故」であるかどうかについては、今後問題となりそうな気がします。

以前、お伝えした中災防出版の「安全衛生のひろば」の連載記事について、月1階の原稿用紙5枚といえどもけっこうしんどくなってきました。読んだ方、励みになるのでぜひ感想を聞かせて下さい。お願いします。