ひどい話です

(山梨県立まきば公園・北杜市、by T.M)

集英社オンライン 2/8

子どもの小学校入学に伴い、保育園の登園時間より小学校の登校時間が遅いため、朝の子どもの居場所に困る「朝の小1の壁」問題。この問題への対応として、早朝に校門を開ける取り組みを進める自治体が増えている。そうしたなか、群馬県高崎市も今年4月から、市内すべての小学校58校で開門時間を午前7時に前倒しする方針を発表した。

共働き世帯の支援策のように見えるが、教職員組合らは強く反発している。現場では何が起きているのか。全群馬教職員組合の田中光則委員長に話を聞いた。

昨夏に突如発表された「7時開門事業」に現場教員らは“寝耳に水”

「昨年7月7日、市は令和8年度から7時開門事業を実施すると発表しました。地元紙などは『小一の壁対策』と好意的に報じましたが、現場の教職員にとっては正直、寝耳に水でした」(全群馬教職員組合の田中委員長、以下同)

市が発表した事業は「校務員が午前7時に校門を開ける」というものだ。しかし、児童の登校時の見守り体制や、トラブル発生時の対応などについて、検討された形跡は「一切なかった」という。

(略)

「市教委に『教員が早く出勤することを前提にしているのではないか』と問うと、『教員も管理職も7時に来る必要はない』という回答でした。

いっぽうで、トラブル発生時の対応については、『そのとき居合わせた教員が対応する。今もそうしているでしょう』と言うのです」

教員の出勤時間は午前8時15分だが、実際にはもっと早く出勤している職員も少なくない。

私が横浜西労働基準監督署の第一課長をしていた平成12年のことです(今回は実名書きます)。神奈川労働局から、「昼休みの電話当番を管理職で回せ」という通達が来ました。それまでは、昼休みにかかってきた電話は、何となく職場にいた職員が取っていました。それを管理職が処理しろというのです。当時の横浜西労働基準監督署は2階建てでした。そして、労働相談等は1階の第一課で行っていたため、昼に電話当番するのは私1人ということになりました。私は神奈川労働局に電話して、「昼当番で必ず昼は庁舎にいることになったから、昼にまたがる業務はすべてキャンセルします。だから、年度当初に作った計画通りに業務がすすみませんけどいいですね」局の回答は「現場でなんとかしろ」ということでした。私はしょうがないので、電話当番を一課の職員の輪番制とし、休憩時間をずらすこととしました。仕事の都合上で休憩時間が取れない時は、早退も可としました。ちなみに、昼に電話当番しても残業代はでませんでした。これらをすべて、私の判断で行いました。

  私は法律違反をしていました

別に、倫理的にまずいことをしていたのではないので後悔はしていません。しかし、こんなことを現場任せにした上局には、今でも言いたいことがたくさんあります。

上記の新聞記事を読んで、こんな昔話を思い出しました。しかし、昔も今も上のやることって変わりませんね。結局、自分たちがいいアイディアだと思っていても、実際は現場に丸投げということです。

いつもは労組にきついことを言ってますが、今回の騒動は組合に頑張って欲しいとしみじみ思います。

退職代行サービス

(冬ザクラ・群馬県神流町、by T.M)

産経新聞 2/5

退職代行サービス「モームリ」の運営会社「アルバトロス」の社長と妻が弁護士法違反の容疑で警視庁に逮捕された。

報酬目的で依頼者を弁護士に紹介していた疑いがある。違法な「非弁行為」だ。社長らは「違法とは思っていなかった」と容疑を否認しているが、認識が甘すぎる。

同社は退職希望者から依頼を受け、勤務先に退職意思を代行して伝えるサービス「モームリ」を令和4年から始めた。就職、転職市場の活性化を背景に「辞めたいけど顔を合わせたくない」という心理に添い、SNSも駆使して急成長した。

ただ、事業の法的危うさは当初からあった。昨年10月に警視庁の捜索を受けたが、社長らは「(依頼者の退職意思の)通知に徹している」と、紹介料の存在や違法性を否定していた。

警視庁の捜査で、社長らは法律・交渉業務を斡旋(あっせん)した弁護士から「賛助金」や「広告業務委託費」などの名目で支払いを受けていた疑いが強まった。警視庁はこれを斡旋の紹介料とみているもようだ。

厚生労働省を辞めた後に1年間ほど、厚生労働省委託のある事業で「労働相談」をやっていたことがあります。思えば、その時を最後に「解雇・退職」の労働相談をしたことはありません。(ちょっとだけ、昨年「日本の人事部」とかいうサイトの回答者をしていましたが、「解雇・退職」の相談は避けていました)

いい時に「労働相談」をやめたと思います。こんな「退職代行サービス」とかいう、訳の分からない会社がでてきたら、監督官や労働相談員は相談者に「解雇・退職」の法律を説明するのに苦労すると思います。

労働組合が経営する「退職代行サービス」や弁護士が行うものなら、昔から似たようなものもあります。でも「モームリ」なんて存在は年寄りの私には理解不能なものです。技術も資格もない、「退職することをすること」だけを企業に伝えて手数料を取る。こんなものにお金を払うって、私には理解不能です。

ブラック企業からやめるためには、そのような会社の存在は仕方がないと言う人もいます。でも、「退職代行サービス」を使って、すんなり辞めれるような会社の本質はブラック企業ではないと思います。それぞれの会社の内部で色々な人間関係のトラブルがあります。しかし、そのトラブルがあるからといって、そこがブラック企業とはいえません。

本当のブラック企業とは、「退職代行サービス」を使っても「最後の給料は労働基準法の主旨に従い手渡しだ」とか「有給休暇の請求は本人の請求かどうか判明しないから認めない。本人の請求かどうかを判断するのは民事裁判が決める」とか「残業代の請求は、弁護士を連れてきてくれ」とか言って、きれいには辞めさせてくれないところを言うのです。

もっとも、そういうブラック企業があるから監督署の存在意義があるのですけど。

トランプ氏と国旗掲揚

(高島城・長野県諏訪市、by T.M)

【1月15日 AFP】

米国のドナルド・トランプ大統領にやじを飛ばした米自動車大手フォードの従業員が、停職処分を受けた。14日、全米自動車労組(UAW)が発表した。

13日にミシガン州でフォードの主力ピックアップトラック「F-150」の工場を視察していたトランプ氏は、やじを飛ばされると中指を立てるジェスチャーを見せた。この様子は広く拡散された映像で確認できる。

米メディアは、やじを飛ばした人物は一部で「小児性愛者(ペドフィリア)の擁護者」と叫んだようだと伝えた。これは、少女らへの性的人身取引の罪で起訴され勾留中に自殺した、トランプ氏の友人である富豪ジェフリー・エプスタイン元被告に関する情報を隠匿しているという疑惑に関連しているとみられる。

UAWは、この従業員が停職処分を受けたこと確認し、その職を守るために闘うと述べた。フォードは、コメントの要請には直ちに応じなかった。

報じられるところによると、この従業員はTJ・サブラさん(40)。米紙ワシントン・ポストに対してサブラさんは、エプスタイン元被告のスキャンダルを指摘したものだと認め、自身の仕事の今後を心配しているとしたものの、後悔はないと述べた。

サブラさんは「運命がめったにこちらを向いてくれるとは思わないし、そうなったとき時にはその機会をつかむ準備をしなくてはならない」「そしてきょう、私はそれを成したと思う」と話した。

「TJ・サブラは愛国者だ!!」と題された寄付サイト「GoFundMe」のページには、14日正午時点で、33万5000ドル(約5300万円)以上の寄付が集まっている。

なんか、Xでは「言論の自由があるのに停職処分が妥当か」なんかで盛り上がっているようです。

停職処分は妥当だと思います。だって、「勤務時間中に、会社への客さんに暴言を述べた」のですから。それより、私が気になるのはこの従業員の態度。「後悔はない」とのこと。とても潔ぎよくて尊敬できます。

「卒業式の国旗掲揚において不起立」という教師に対する処分について、以前から行政訴訟等があるようです。これ、私立学校であったなら、処分は当然であると思えますが、公立学校においては難しい問題であることは分かります。

私立学校の場合、「キリスト系の学校で、信教の自由を問う」「民族教育を行っている学校でナショナリズムを否定する」等の行為を「学校主催の式典の場で行う」場合は、やはり処分が妥当になると思います。しかし、「日の丸掲揚が正しいか」という公立学校教師の疑問については、確かに「そういう考えをもつのもありかな」なんて思えてしまいます。

しかしそうであっても、私は個人的に「不起立の教師」は好きではありません。なぜなら、潔さと寛容がないような気がするからです。

トランプに対し、「後悔はない」と述べたこの従業員は、その態度で人の共感を得ました。

卒業式で不起立な教師は、後で行政訴訟など行わずに粛々と処分を受ける必要があったのではないでしょうか。彼らからは、「自分たちは正しいんだ」という自己満足のパフォーマンスをしているとしか思えず、式典を厳粛に行いたいという素朴な感情を持つ多くの者人への配慮はまったく感じられないため共感は得られないと思います。

これは労使関係以前の問題であると思います。

教師の休憩時間

(身延山久遠寺・山梨県身延町、by T.M)

共同通信 1/13

公立学校の教職員の3人に1人が勤務時間を実際より短く申告した経験があることが13日、日教組の働き方改革に関する調査で分かった。過少申告によって勤務実態の把握が難しくなる恐れがあり、山崎俊一書記次長は「大変重く受け止めている。業務削減なしに勤務時間管理を進めれば、余計に悪化すると懸念している」と訴えた。

 調査は昨年9~10月にオンラインで実施し、1万7683人が回答した。土日を含めた1週間の勤務時間は平均59時間44分。調査を始めた2018年以来初めて60時間を切ったものの、1カ月に78時間56分の残業となる計算で、なお「過労死ライン」に近い。

 直近1年間の勤務時間の申告では、「いつも短く記録していた」のが6.9%、「短く記録したことがある」は26.3%で、計33.2%に上った。学校種別では、部活動のある中学校と高校で割合がやや高い。

 短く申告した理由(複数回答)は、「医師と面談するのが面倒」36.9%、「管理職に指摘される」36.0%が多い。

もし教師が昼休み時間に、学校近くのパチンコ屋に行ってパチンコをしていて、その先生が不在な時に、担任の生徒がケガをしたら、世間はその先生をどれだけ叩くでしょうか。

その先生が平気な顔をして、「パチンコ行っていて何がいけないんですか。私の不在の時におきた事故で、私に責任はありません」と答えたらどのくらい炎上するでしょうか。

でも、労働基準法的には、彼の言っていることは正しいのです。労働基準法第34条には「休憩時間を自由に利用させなければならない」と規定されています。そして、休憩時間中には業務から解放されます。「生徒の安全確保」という業務はしなくてよいのです。

労働基準法の労働時間の考え方を「教師の業務」に当てはめていくことは不可能ではないのかと昔から思っています。法と実態をマッチングさせようと思えば思うほど、新たな矛盾がでてくるように思えます。

いっそのこと、「労働基準法の労働の概念は教師にはあてはまらない」として、新たな「教師用の労働時間」の概念を創出したらどうでしょうか。もちろん、このようなことを一新するということは、労働者側の教師の意見がどれだけ反映されるかが鍵になります。

何か文科省は、「教師の労働問題」について、見て見ぬふりをし、何も変えないようにしていると思います。それが誰の得になるのでしょうか。

私の個人の意見なんですが、教師は「休憩時間についても、生徒の安全に係る業務については責任を負うこととし」、その代わりに、教師の給与水準を現在の1.2倍(調整額でなく本給)とし、夏休み等の長期休暇をしっかり与えることとしたらどうでしょうか。「教師の夏休み」については、昭和の時代に戻るようですが、昔のことをすべて否定するのはどうかと思います。硬直した考えでは、教師の方がストレスが溜まるだけのような気がします。