今仕事で、福岡にいます。急な仕事なものでブログ更新ができませんでした。今週は休みます。
裁量労働制への提言

(シマリス・智光山公園こども動物園、by T.M)
毎日新聞 2/20
高市早苗首相は20日の施政方針演説で、あらかじめ決めた時間を働いたとみなす「裁量労働制」の見直しに言及した。高市首相は昨年10月の就任時、上野賢一郎厚生労働相に「心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和検討」を指示しており、具体策を示した形だ。裁量労働制を拡大する方向で検討を進めるとみられる。
裁量労働制には、システムエンジニアや記者、証券アナリストなど20職種が対象の専門業務型と、所属企業の事業運営の企画・立案などが対象となる企画業務型がある。仕事の手段や時間配分などは労働者に委ねられる。実労働時間に関わらず、あらかじめ決めた時間を働いたとみなすことから、長時間労働を助長しかねないとの指摘がある。
高市首相は20日の衆参の施政方針演説で、「働く方々のお声を踏まえ、裁量労働制の見直し、副業・兼業に当たっての健康確保措置の導入、テレワークなどの柔軟な働き方の拡大に向けた検討を進めます」と述べた。
裁量労働制の拡大の是非は、昨年から労働政策審議会(厚労相の諮問機関)で議論されてきた。経団連は過半数労働組合がある企業での拡大を求めているが、連合は「(長時間労働を防ぐ)働き方改革の趣旨に逆行する」として強く反対しており、議論は難航しそうだ。連合の芳野友子会長は19日の記者会見で、「実際には業務量や労働時間の配分が自分で決められない」といった現場の声を紹介し「制度の拡充ではなく適正運用の徹底を」と訴えた。
政府は今後、首相直轄の日本成長戦略会議や労政審で検討を進める方針だ。
この記事を読んでふと思いました。
「高度プロフェッショナル制度」と「裁量労働制」の違いって何だろう?
高度プロフェッショナル制度とは、特定の高度な専門知識を持つ高収入の労働者を対象に、労働時間、休憩、休日、深夜の割増賃金に関する労働基準法の規定を適用しない制度である。裁量労働制とは、労働時間を労働者の裁量に委ねる雇用形態であり、労働基準法の規定は適用となるので残業代は支払われる。
こんなことを問題としているんではありません。両者とも労働者に長時間労働をさせるのに、(事実上)残業代を支払わないずるい制度であることには変わりないじゃないかと言いたいのです。
私は、「裁量労働制の拡大」には反対です。悪用する連中が必ず出てくるからです。「フレックス制度の拡大」で十分だと思うからです。
でも、世の中には「時間を気にせずにもっと自由に働きたい」という奇特な方もいらっしゃる事は事実です。そして、その奇特な方が世の中を変えていく可能性を多く持つという事も事実です。
そこで提案です。「裁量労働制」を適用される労働者に「最低年俸制」あるいは「最低月給制」を導入することはどうでしょうか。「高度プロフェッショナル」で既に導入されている最低年俸は1075万円です。裁量労働制が適用される労働者には、最低月給100万円とするなら、きりがいいと思います。いえ、いっそのこと労働基準法第41条で規定する「管理監督者」についても、それくらい払うように法律で規定してみたらいかがでしょうか。残業代ゼロなら、それくらい当然です。
ひどい話です

(山梨県立まきば公園・北杜市、by T.M)
集英社オンライン 2/8
子どもの小学校入学に伴い、保育園の登園時間より小学校の登校時間が遅いため、朝の子どもの居場所に困る「朝の小1の壁」問題。この問題への対応として、早朝に校門を開ける取り組みを進める自治体が増えている。そうしたなか、群馬県高崎市も今年4月から、市内すべての小学校58校で開門時間を午前7時に前倒しする方針を発表した。
共働き世帯の支援策のように見えるが、教職員組合らは強く反発している。現場では何が起きているのか。全群馬教職員組合の田中光則委員長に話を聞いた。
昨夏に突如発表された「7時開門事業」に現場教員らは“寝耳に水”
「昨年7月7日、市は令和8年度から7時開門事業を実施すると発表しました。地元紙などは『小一の壁対策』と好意的に報じましたが、現場の教職員にとっては正直、寝耳に水でした」(全群馬教職員組合の田中委員長、以下同)
市が発表した事業は「校務員が午前7時に校門を開ける」というものだ。しかし、児童の登校時の見守り体制や、トラブル発生時の対応などについて、検討された形跡は「一切なかった」という。
(略)
「市教委に『教員が早く出勤することを前提にしているのではないか』と問うと、『教員も管理職も7時に来る必要はない』という回答でした。
いっぽうで、トラブル発生時の対応については、『そのとき居合わせた教員が対応する。今もそうしているでしょう』と言うのです」
教員の出勤時間は午前8時15分だが、実際にはもっと早く出勤している職員も少なくない。
私が横浜西労働基準監督署の第一課長をしていた平成12年のことです(今回は実名書きます)。神奈川労働局から、「昼休みの電話当番を管理職で回せ」という通達が来ました。それまでは、昼休みにかかってきた電話は、何となく職場にいた職員が取っていました。それを管理職が処理しろというのです。当時の横浜西労働基準監督署は2階建てでした。そして、労働相談等は1階の第一課で行っていたため、昼に電話当番するのは私1人ということになりました。私は神奈川労働局に電話して、「昼当番で必ず昼は庁舎にいることになったから、昼にまたがる業務はすべてキャンセルします。だから、年度当初に作った計画通りに業務がすすみませんけどいいですね」局の回答は「現場でなんとかしろ」ということでした。私はしょうがないので、電話当番を一課の職員の輪番制とし、休憩時間をずらすこととしました。仕事の都合上で休憩時間が取れない時は、早退も可としました。ちなみに、昼に電話当番しても残業代はでませんでした。これらをすべて、私の判断で行いました。
私は法律違反をしていました
別に、倫理的にまずいことをしていたのではないので後悔はしていません。しかし、こんなことを現場任せにした上局には、今でも言いたいことがたくさんあります。
上記の新聞記事を読んで、こんな昔話を思い出しました。しかし、昔も今も上のやることって変わりませんね。結局、自分たちがいいアイディアだと思っていても、実際は現場に丸投げということです。
いつもは労組にきついことを言ってますが、今回の騒動は組合に頑張って欲しいとしみじみ思います。
退職代行サービス

(冬ザクラ・群馬県神流町、by T.M)
産経新聞 2/5
退職代行サービス「モームリ」の運営会社「アルバトロス」の社長と妻が弁護士法違反の容疑で警視庁に逮捕された。
報酬目的で依頼者を弁護士に紹介していた疑いがある。違法な「非弁行為」だ。社長らは「違法とは思っていなかった」と容疑を否認しているが、認識が甘すぎる。
同社は退職希望者から依頼を受け、勤務先に退職意思を代行して伝えるサービス「モームリ」を令和4年から始めた。就職、転職市場の活性化を背景に「辞めたいけど顔を合わせたくない」という心理に添い、SNSも駆使して急成長した。
ただ、事業の法的危うさは当初からあった。昨年10月に警視庁の捜索を受けたが、社長らは「(依頼者の退職意思の)通知に徹している」と、紹介料の存在や違法性を否定していた。
警視庁の捜査で、社長らは法律・交渉業務を斡旋(あっせん)した弁護士から「賛助金」や「広告業務委託費」などの名目で支払いを受けていた疑いが強まった。警視庁はこれを斡旋の紹介料とみているもようだ。
厚生労働省を辞めた後に1年間ほど、厚生労働省委託のある事業で「労働相談」をやっていたことがあります。思えば、その時を最後に「解雇・退職」の労働相談をしたことはありません。(ちょっとだけ、昨年「日本の人事部」とかいうサイトの回答者をしていましたが、「解雇・退職」の相談は避けていました)
いい時に「労働相談」をやめたと思います。こんな「退職代行サービス」とかいう、訳の分からない会社がでてきたら、監督官や労働相談員は相談者に「解雇・退職」の法律を説明するのに苦労すると思います。
労働組合が経営する「退職代行サービス」や弁護士が行うものなら、昔から似たようなものもあります。でも「モームリ」なんて存在は年寄りの私には理解不能なものです。技術も資格もない、「退職することをすること」だけを企業に伝えて手数料を取る。こんなものにお金を払うって、私には理解不能です。
ブラック企業からやめるためには、そのような会社の存在は仕方がないと言う人もいます。でも、「退職代行サービス」を使って、すんなり辞めれるような会社の本質はブラック企業ではないと思います。それぞれの会社の内部で色々な人間関係のトラブルがあります。しかし、そのトラブルがあるからといって、そこがブラック企業とはいえません。
本当のブラック企業とは、「退職代行サービス」を使っても「最後の給料は労働基準法の主旨に従い手渡しだ」とか「有給休暇の請求は本人の請求かどうか判明しないから認めない。本人の請求かどうかを判断するのは民事裁判が決める」とか「残業代の請求は、弁護士を連れてきてくれ」とか言って、きれいには辞めさせてくれないところを言うのです。
もっとも、そういうブラック企業があるから監督署の存在意義があるのですけど。
お休みします
拙いブログにおいで頂きどうもありがとうございます。
申し訳ないのですが、今週お休みします。