ブラック企業とモンスター相談者(1-9)

CA3I1075
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(M氏寄贈、「大菩薩峠」)

「店舗の閉鎖日に全額支払われることは本当でしょうか。」
「くどいですね。支払います。」
「では、お願いします。」
こうして担当者は帰って行きましたが、解雇予告手当(慰労金?)は退職日に全額、従業員全員に支払われたそうです。

後日、Y駅の地下街の関係者にこの会社のことを尋ねたところ、「何かしら、会社内部にゴタゴタがあって、急に撤退を決めたみたですね。」ということでした。この会社は、私は知りませんでしたが、上品なイメージを売り物にしているとのことですが、会社の体質なのか担当者の保身なのかは分かりませんが、ブラック企業には間違いありません。ブラック企業とは、労働者を使い捨てにしておいて、それを何とも思わない会社であると思います。

こんなブラック企業との遣り取りは仕事ですので、いくらでも対応しますが、モンスター相談者との会話はとても疲れることが多いです。
ある日、女性の方から電話がかかってきました。そして、次のような会話となりました。
相談者:「私は解雇されたんですけど、どうしたら良いでしょう。」
私  :「どうされたんですか」
相談者:「コンビニに勤めているんですけど、お客と接していると、何か不潔な気がして、一日マスクをしているんです。
それを知った店長が辞めろって言うんです。」
私  :「あなたが、風邪を引いていて咳をするから、マスクをしたということではないんですね・・・」
相談者:「違います。私は健康です。客が汚いんです。だからマスクをしてるんです。それを、店長はマスクを取らないなら辞めてくれって言うんです。こんな解雇の時はどうすれば良いんですか。」
私  :「え、でもそれは解雇ではありませんよ。」
相談者:「解雇ですよ。あなたは何を言うんです。他の人は解雇だって言っていました。ふざけないで下さい。」
(相談者の言葉がきつくなり、ヒステッリックになる。)
私  :「・・・・・(無言)」
私は心の中でこう思いました。
「あなたに、コンビニ勤めは無理です。」