労働災害が起きました(1)

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(高校生時代からの親友のK氏から頂いたものです)

今回からは、災害調査について書きます。これも書くことはたくさんあります。

災害調査ということについては、血なまぐさい現場を想像して、たいへんな仕事をしていると思われるかもしれません。しかし、誤解される表現かもしれませんが、「死亡災害」及び「後遺症が残る災害」以外は、企業の存続にとって、あまり大きな影響を与えないので、災害調査自体もルーティンワークとなっている現実も監督署の現場では確かにあります。
(逆に言うと、「死亡災害」及び「後遺症が残る災害」が起きてしまうと、企業の致命傷となることが多々あります)。
よく、企業の安全担当者の中には、「昔、こんな事故がありました」と言って、軽い事故は武勇伝のように語る方もいます。もちろん、これは、その「軽い事故」を契機として、企業がより安全確保を求めたという結果について、自信があるための発言だと思います。
まして、物損だけの事故なんて、月に何十枚もの死傷病報告書を受理していたら、そのうち災害とは思えなくなります。
やはり、人間にとって、財産よりも健康が大切だと、つくづく感じるのは災害調査をしている時です。
(注) 労働者死傷病報告書とは、労働安全衛生規則第97条により規定された、企業から所轄労働基準監督署長に提出される災害発生を通知する報告書。労働基準監督署は、この報告書と労災の手続書類のから災害の発生を知る。休業4日以上の災害については、この書類の提出が企業に義務づけられるため、提出がない時は、「労災隠し」として刑事事件となることがある。労災隠しについては、今後書きます。

さて、事故の話です。
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その災害情報の第1報が入ったのは、午前10時頃だった。
4月に入って間もない頃のことで、間が悪いことに監督署には私以外誰もいなかった。