メンタルと過労死(5)


(タヌキにごはんを取られた、ウチの猫です)

昨日、WBCで日本がイスラエルに勝利し、ロサンゼルスで行われる決勝ラウンドに進出が決まりました。私は、この試合をテレビ観戦している最中に、ふと「NPBの選手は、過労でメンタル不調にならないのだろうか」などと考えました。

メンタル不調で自殺したアスリートで、有名な方はやはりマラソンの円谷幸吉でしょう。円谷氏は、前回の東京オリンピック(1964年)に銅メダルを獲得しながら、その後成績が思うように伸びずに、メキシコオリンピック(1969年)の直前に自殺します。
その彼の遺書には、「父上様母上様 幸吉は、もうすっかり疲れ切ってしまって走れません。何卒 お許し下さい。」と書き残してありました。この遺書は、当時の日本人に大きな衝撃となり、三島由紀夫や川端康成が感想を述べています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%86%E8%B0%B7%E5%B9%B8%E5%90%89
円谷氏は、まじめで責任感が強かったそうですが、現代の仕事に追い詰められ自殺される方も、このような性格の方が多いそうです。

昨年より、ストレスチェックの実施が各企業で本格化してきました。
これは、いくつかの質問の回答を得ることで、被験者が高ストレスに晒されていらっしゃるかどうかを判断し、その結果を被験者(労働者)に通知するという制度です。いわば「心の健康診断」というべきものです。

円谷氏が、このストレスチェック制度を受診し、自分の高ストレス状態を把握していたら、悲劇は起きなかったでしょうか。
また、今回の電通事件や「ワタミ」の自殺事件の場合はどうでしょうか。

私は防げるケースもあったと思いますし、周囲の無理解により、やはり事件が起きたケースもあると思います。
次回では、このストレスチェックの説明と、その運用の難しさについて書きます。