コロナウィルス

(平家落人の里・湯西川温泉,by T.M)

(株)興研とか(株)重松製作所とか言っても、一般の方には何をしている会社なのかは分からないと思います。両社とも、工業用のマスク(防塵マスクや防毒マスク)の老舗の製造メーカーで、労働安全衛生に関係した者なら誰もが知っている、安心で信頼のおける会社です。両社の作るマスクのおかげで、どれだけ多くの労働者がアスベストや有機溶剤から身を守れたかことでしょうか・・・

この2社の株価がとんでもないことになっています。1月27日(月)から1月31日(金)までの間にほぼ2倍となりました。このコロナウィルス騒動のせいです。水曜日の夜にこの事態に気付いたのですが、先週と比較し1.5倍程度になっていたので購入を見送りました。すると木曜日に両社ともストップ高で、金曜日に2倍に達しました。月曜日買いでも「間に合うだろうか」と考えています。

ところで、「このウィルスでの感染は労災認定になるのでしょうか」。まず、日本人の最初の感染者である、バスの運転者とバスガイドについては、普通に労災認定されるものと推測します。「日本で今まで、発症例がなく、業務によりウィルス発症地域の住人(乗客)と数日にわたりクルマの中という限定区域にいたため、この乗客より感染した可能性が極めて高い」というケースですから、発症の業務起因性は十分と思えます。

でも、問題はこの後です。今後、どれだけの人が発症し、また労災認定されるでしょうか。海外赴任していた人の海外労災の適用はどうなるでしょうか。また、通勤経路で感染したという人が現れたら、通災となるのでしょうか。

いくつか疑念があったので、地方労働局の現役の労災担当者に質問してみました、すると次のような答えが返ってきました。

「ダメダ。一切答えられない。その件についてはかん口令がひかれている。」

答えを聞いてから、「無神経な質問」をしてしまったなと反省しました。役所に在籍している者が、現在社会的な問題となっている現象に対し、例え雑談でも答えるはずがないからです。「かん口令」はオーバーとしても、誤解や憶測を生む言動をしないためにも、自ら情報を発することは控えるのが常識です。

そんな訳で、知恵袋のアドバイスがないままに、情報を整理し、私なりに妄想をふくらましてみました。
まずは、多くの人が気にしていること。「通勤途中にセキをしている人が隣にいたが、しばらくしてから新型ウィルスに感染していることが判明した。あの時にうつされたに違いない」という場合ですが、やはり通勤災害の認定は無理でしょう。因果関係の立証が困難すぎます。
また、海外労災についても業務起因して発病したかどうか立証できるかにかかっています。もっとも、「これから赴任する」という方(例えば、会社所属のジャーナリストが業務により赴任する場合)は、労災認定も有りかなと思ってしまいます。
いずれにせよ、「労災を認定されるかどうか」は、一例づつすべて違いケース・バイ・ケース。とても奥が深くて難しい問題です。

すみやかな感染の終息と、感染者の早期の回復を願い、今日の妄想はこれまでとします