(松永安左エ門の旧邸「老欅荘」・小田原市、by T.M)
急に、今週末の新潟出張が決まりました。
来週末は、札幌出張です。
60代後半の老いぼれにもなっても、仕事があるということは、ありがたいことです。
でも、仕事の合間にブログを書くには、頭の回転がついて行きません。
御来訪された方には、まことに申し訳ないのですが、今週、来週とブログは休みます。
再開は10月12日です。
では、またお会いできるのを楽しみにしております。
おばら労働安全衛生コンサルタントのブログ・元労働基準監督官の独り言
元労働基準監督官の独り言
(松永安左エ門の旧邸「老欅荘」・小田原市、by T.M)
急に、今週末の新潟出張が決まりました。
来週末は、札幌出張です。
60代後半の老いぼれにもなっても、仕事があるということは、ありがたいことです。
でも、仕事の合間にブログを書くには、頭の回転がついて行きません。
御来訪された方には、まことに申し訳ないのですが、今週、来週とブログは休みます。
再開は10月12日です。
では、またお会いできるのを楽しみにしております。
(旧医院の明治館・群馬県伊勢崎市、by T.M)
東京スポーツ 9/20
夫人の出産のため米国に一時帰国していたテイラー・ハーン投手(30)が20日、チームに再合流した。
19日までに日本に戻ってきた助っ人左腕は、再来日翌日のこの日からチームに復帰。米国時間13日には、夫人が第一子の長男・ブライソン君を出産し「パパ」となって戻ってきた助っ人は「本当に嬉しいです。子供も奥さんも元気だし、ひとり家族が生まれたことでまたヤル気が出るというか、このシーズンをしっかりと乗り切ろうと心に誓ったよ」とニッコリ。
日本時間13日に一時帰国した際に登録も外れており、再登録はまだ叶わない状況だが「むこうでもできる限り体を動かしていたし、自分のできることをやっていたよ」と自身のコンディションも良好という。
今季から加入の助っ人左腕は、中継ぎとしてここまで29試合、防御率1・29の好成績で、投手陣の「勝利の方程式」に欠かせない存在となっていた。残り13試合で、Aクラス確保が目標となるチームで、心強い戦力が帰還した。
昨日(9/20)、わがDNeAベイスターズがセントラルリーグ3位となってクライマックスシリーズの出場する希望がでてきました。しかし、カープの9月になってからの失速が凄いですね。一時は優勝かと思われたのに、昨日の時点で4位です。カープが9月に失速した理由のひとつにハーン投手の離脱があるかもしれません。
しかし、いい時代になりましたよね。昔は阪神のバースが親の死で帰国したら大批判を浴びました。今は奥さんの出産に帰国できます。この風潮が日本の労働の現場にも波及されるといいのですが。
労働基準法第39条で規定された有給休暇とは別に、「親族の死」等の場合については特別休暇を設けるべきだという意見があります。でも、現実的ではないでしょう。技術的な問題でいくつかあります。「親族とは何か」「緊急事態とは何か」等の定義が難しいということです。しかし、何よりも問題なことは、「有給休暇を取得することについて、労働者はその理由を述べなければならない」ということです。有給休暇は、無条件で与えられなければなりません。
今から30年以上前のことです。私が函館労働基準監督署の方面主任であった時に、ゴールデンウィーク明けに有給休暇を取ろうとしました。ゴールデンウィーク中は、直前に発生した管内の死亡災害の災害調査に多忙で、なかなか休暇が取得できなかったのです。そこで、期日をずらす有給休暇を取得しようとしたところ、私の直接の上司である次長が文句を言います。「みんな休暇明けで、仕事をしようとする時に何事だ」という訳です。労働基準監督署でさえ、このように自由に有給休暇を取得できなかったので、民間企業では有給休暇を取得することは肩身の狭い時代でした(今でもそうかもそれませんが)。
その時に次長から「なぜ有給休暇を取るんだ」と言われたので、「理由は言いたくありません。有給休暇の取得願いは提出しますので、それが認められないなら、次長が『不承認』として印鑑を押し、記録して下さい」と返答しました。次長は舌打ちして、有給休暇を認めてくれました。このような私の行為は、労働基準監督官で労働基準法の知識があるので可能なことで、現在ブラック企業に勤務する方は泣き寝入りするしかないのかもしれません。そう考えると、ブラック企業から「退職代行」を使用して、労働者が退職することも仕方ないのかとも思います。
(ノイウルム駅にて、by T.M)
9/10 東洋経済
「パワハラ的な霞が関の文化が見え隠れしている」――。
パワハラ疑惑を内部告発された兵庫県の斎藤元彦知事に対する辞任圧力が、日増しに強まっている。
斎藤知事は8月30日、9月6日に県議会の百条委員会で一連の疑惑に関する証言を行い、パワハラの疑いがある県職員への言動をあくまで「業務上の指導」などと主張。最後まで自身の行為がパワハラに該当するかは認めず、職員との間での認識の違いが際立った。内部告発した職員に対する懲戒処分などの県の対応も、「法的に適切だった」とする立場を貫いた。
百条委でのやり取りで印象を残したのが、斎藤知事が自身の総務官僚時代の経験を念頭に置いたうえで、自らの仕事観を説明した場面だ。「コミュニケーション不足で職員の受け取りにズレが生じた」と弁明する斎藤知事の問題視された言動について、総務省関係者は冒頭のように指摘する。
この記事のとおりであると思います。「滅私奉公」と言えば聞こえがよいが、齋藤知事は自らが、「ゴマすり」をやってきたのです。彼は、「オレは組織の中心だから、オレが近くにいる時は、回りの者はオレの一挙一動を見ていろ。そして気をつかえ。オレは偉いんだ」と本気で思っているのでしょう。なぜなら、「上司(大臣)を絶対に偉い」と思い、それに気を遣う自分を誇りしてきたのですから。
まさしく、公務員の鏡です。もっとも、現場で働く公務員、例えば労働者に「無能」と呼ばれ、経営者から「態度が悪い」と言われ、日夜労使紛争に悩まされる署の現場の労働基準監督官の仕事では、このような対応は通用しません。しかし、監督官も地方労働局や本省に行くと、こんな人が増えることになります。
今回は、私が見聞した「労働局のゴマスリの実態」をご紹介します。
最初に紹介するのは、今から20数年前に神奈川労働局に本省からきたSという監督課長です。Sは元々監督官でしたが、志願して本省に転勤した出世志向の強い監督官でした。私は当時監督課に平職員として在籍して予算を担当していましたが、課長は年齢は私と変わらないのですが、組織内での立場は私と天と地ほどの違いがありました。私は、監督署の現場から離れた、最初の労働局勤務でしたが、この課長は「霞が関文化」というものを私に教えてくれました。現場で、「切った、張った」を繰り返していた私にとって、初めて触れる文化でした。
その課長は、予算のことに厳しく、10円単位でも細かくチェックしてくる人でした。そんな課長でしたが、突然に「新しい電動自転車を監督課の予算から購入しろ」と言われました。私は、「へえー、職員のための備品を買うなんて珍しいな。横浜市内の災害調査には便利かな」と思って購入手続きを進めていたところ、課長からこんなことを言われました。「基準部長(課長の上司)が中華街まで昼飯を食べに行くが、その時に使用するからな」
要するに、上司へのゴマスリのために予算を使用するということです。もっとも、そういう「気遣い」を喜ぶ労働基準部長ではありました。
また、こんなこともありました。当時神奈川労働局には外国人労働者の通訳(非常勤)が2名勤務していました。英語とポルトガル語の通訳でした。ポルトガル語の通訳の方は、専門ではありませんでしたが、スペイン語も通訳可能の方でした。
(注)スペイン語とポルトガル語は非常に似ていて、南米系労働者の通訳は両方の言語ができる人が多い。
ですから、通訳をもう一人増やすということは、私は中国語の通訳を探すのかと思っていまたが、何とスペイン語の通訳をもう一人増やすということでした。しかも、誰を雇用するのかも、S監督課長は指定しました。当時の秋田労働局基準部長の奥さんを雇用しろというのです。この通訳の方は雇用した時の経緯はともかく、とてもいい方だったのですが、今から考えると、このS監督課長の行為は犯罪行為だったと思います。
まあ、このS課長なんですが、多分本省では、「いい奴」「気が利く奴」で通っていたと思います。でも、最終的に思っていたほど出世はしなかったと噂に聞きました。多分、見抜かれていたところがあったのだと思います。
(名物の出雲割子そば、by T.M)
9/6 仙台放送
大崎市民病院が医師や看護師など約1500人に勤務手当の一部を支給せず、労働基準監督署から是正勧告を受けた問題で、当初は支払いが難しいとして未払いとなっていた約8億円について、病院が一転して支払う方針を示しました。
9月6日の大崎市の定例会見で伊藤康志市長は「職員や患者に不安を与え、申し訳なく思う」と謝罪しました。
この問題は大崎市民病院が医師や看護師など約1500人の手当て10億5000万円を支払わなかったため、労基署から是正勧告を受けたもので、病院は昨年度分の2億3000万円は支払いましたが、残りの約8億円は経営難を理由に支払いは難しいとしていました。その後、労基署との協議の結果、病院は全額を支払うことを決めたということです。
大崎市 伊藤康志市長 「経営努力でどこまで追加支払いができるのか検討、指示した」
支払いを終える時期などは未定ということです。
まずは是正勧告をした古川労働基準監督署の方に、ご苦労さまと言いたいと思います。私も35年前に同監督署で監督官をしていました。当時はまだ「古川市」であって、新幹線が停車する市としてバブルの終末期の繁栄を謳歌していました。現在は周辺町村と合併し「大崎市」となりましたが、人口は合併前より減少しているようです。多分、賃金不払い等景気の悪い話も当時以上であると思いますが、後輩監督官が頑張っていることは嬉しいものです。この事件は、未払賃金を全額支払わなければ、当然終わらぬ話ですが、ゴールは見えてきたと思います。
しかし、この市長なんかずれたこと言っていますね。賃金未払は、労働者に対する「債務不履行」ということです。民間企業で、手形が落ちない等の債務不履行となったら、破産手続きをして債権債務を整理することが道理でしょう。だから、未払賃金を払えないなら、公益性の高い事業であるから市民のためを思い税金を投入し存続させるのか、資本主義の原則に従い破産手続きを行い病院を閉鎖させるのかのどちらかのはずです。どちらも市長が決断すべきところなのに、何か市長の言葉は無責任で他人事です。
もちろん、民間企業でしたらこういう場合、債権者との合意の元で債務の一部を免除する、返済期間を延長するなどして再建を目指す民事再生という手もあります。でも、それなら徹底的な経営の見直しをしなければなりませんが、なによりも債権者に納得してもらわなければなりません。この市長、債権者である労働者に頭を下げてお願いしているのでしょうか。冗談じゃなくて、「労働者に土下座する覚悟」はあるでしょうか。
私が良く知る賃金不払い事件というのは、どうも経営者が労働者を「債権者」と認めていないケースがよくありました。給料を払っていないのに、「自分は労働者を雇っているのだから自分の方が上だ」と考えているようでした。もし、市長がそのような方で、解決を引き延ばすなら、労働基準監督署は書類送検をすべきでしょう。通常、「公務員」については労働基準監督署は司法警察権限は適用できませんが、「市立病院」については権限があります。また、「市立病院」送検は全国的な大きなニュースになると思います。後輩諸君、頑張ってください。
(三浦市の隆起海岸、by T.M)
8/28 中日スポーツ
杉村太蔵元衆院議員が28日、テレビ朝日系の情報番組「大下容子ワイド!スクランブル」にコメンテーターとして出演。番組内で紹介されたオーストラリアで新たに施行された、休みの日に仕事関係の連絡を無視できる「つながらない権利法」について、「これね、本当やった方がいい」と私見を述べた。
番組によると、従業員のワークライフバランスを保つのが狙いで、悪質な違反をした企業には罰金が科されるという。日本国内でも同様の法整備を求める声があることが紹介された。
実業家、投資家でもある杉村さんは「明日の朝でいいからやってって、夜10時くらいに(連絡が)来ると、そこから頭の中仕事モードになるでしょ。最悪だよね。気持ち、よく分かる」と共感。
番組は街頭インタビューで「夜間に現場でトラブルが起きたら、勤務時間外でも担当者に連絡せざるを得ない実態がある」という50代執行役員の声を紹介。
これに対し、杉村さんは「これはね、会社の業務を把握してないあんたが悪いでしょ、と。なんで(担当者に)聞かないと回せないの。日頃あんたら何やってんだ、というのが私の考えですね。絶対に時間外につなげてはいけない労働者がいますんで、そこは保護してあげないといけない」と持論を展開した。
この意見、大賛成です。杉村さん、いい事いうなあ。この意見、大賛成です。でも、けっこう難しいですよ。
東日本大震災から数か月たったある日、横浜北労働基準監督署の方面主任をしている私のところへ、ある電力会社が相談に来ました。その内容は次のとおりです。
「地震の後始末で、わが社は混乱している。休日に福島から他県へ行く場合は、すぐに連絡が取れるように職員に義務化したいのですが、何か労働基準法に違反しますか」
私は、その時に相談者の顔をまじまじと見ました。そして、考えました。
「この人、私に何を言わせたいのだろ」
けして「良い」とは言えません。でも、あの時期に冷たく「ダメ」というのも憚れました(もちろん、労働者にとっては「No」が当たり前です)。
次に考えたのは、「こんなの黙ってやればいいだろ」ということです。労働者から指摘がでたら、「労働基準法違反であることは分かっているが、会社のため、社会のために私がやらせた」と会社内で誰かが言えばいいだけの話です。そして、その「誰か」が責めを負えばいいのです。それができなくて、責任逃れして監督署に聞くなと思いました(もちろん、監督署も思いっきり責任逃れをしていることに変わりはありません)。
私は、その時に「検討します。後日連絡します」としました。そして、監督署内部及び神奈川労働局とも「相談」して、後日に相談者に対し「労働基準法の残業命令と法の主旨」等の関係ないことを長々説き、「有耶無耶」にしてしまったことは言うまでもありません。
(注)因みに、役所からの返答を逃すまいと思ったら、「文書質問」し「文書回答」をもらうことです。もっとも、こんなケースの文書回答は何年先になるかは分かりません。
こんな経験をした私ですから、労働基準法無視で提案させて頂きますが、時間外に業務のことで使用者から労働者へ連絡し、それに労働者が対応した場合は、対応に至る費用として1分間につき幾ばくかの賃金を支払うというのはいかがでしょうか。この「対応」というのは「連絡」に対する対応であり、何か行動することではありません。「行動」した場合は「通常の時間外労働手当」が発せします。例え、労働者の答えが「今は、分かりません」であったとしても、使用者から賃金が支払われるべきではないでしょうか。
労働者が会社の業務から完全に離れる時間を持つことは必要です。しかし、「安全に関する問題」等の連絡ということを考えると、致し方無いこともあるということです。
追記
このブログを書いた後に、兵庫県の斎藤知事が部下に対して、真夜中に部下にメール等で指示(叱責?)をしていたことを、百条委員会で認める発言をしたともマスコミ記事がありました。知事曰く、自分が官僚だった時にはそれが当たり前だったとか。
なるほど、知事は「霞が関の勤務対応は正しく、地方は間違っている」と考えている人間だということがよく分かりました。こういう人間に監督官時代に時々会いました。銀行職員がいきなり取締役となったり、一流企業の職員が関連会社の社長となったりするケースです。みんな「元の職場は・・・・」というような話をしていました。労働基準監督官が現役時代にそういう人と出会うということは、そういうことです。