(アンディウォフォール、NYのMOMAにて)
(続き)
「私はこれから是正勧告書を交付する。それの受取りを拒否するなら、それを止めることはできない。あなた方に法の主旨を諭さなければならない立場だが、今回はあなた方が正しいと思う。
通常、是正勧告書を交付するといえば、大きな会社は何も言わずにそれを受取る。あなた方は、それに反論してきた。私は当初、『こいつら、何を言っているんだ』と思ったが、実はあなた方こそが、私の話に誠実に対応をしていることが分かった。まことに申し訳ないことをした。
あなた方の主張は本省に伝えたのだが、本省は方針を変えず、あなた方に是正勧告書を交付すべきだと言ってきた。
ひとつ提案がある。本日、私の名前で是正勧告書を交付するので、受取って欲しい。そして、この勧告書に対する反論という形で、私に対する『報告書』として、あなた方の主張を述べて欲しい。
その『報告書』を持って、もう一度本省と協議する。」
弁護士と会社は私の提案に乗り、是正勧告書を受領した上で、「是正勧告書に記載されていた法違反」の是正はせずに、「独立した事業場でもない支店が、36協定を締結することはできない。それこそが労働基準法で規定されている、労働者ー使用者の関係を否定するものだ」と記載された報告書を提出してきました。
私はそれを本省に報告しましたが、本省はそれを無視しました。
もっとも、その会社は今でも、本省の主張する「法違反」を継続しており、本省はそれに対して「書類送検しろ」とは命令してこないので、結果として黙認ということになっています。