もしかして・・・バス会社

(新春の真鶴岬、by T.M)

神奈川新聞12月23日

横浜市交通局は23日、休憩時間中に市営バス車内で妻と飲食した港南営業所の男性運転手(49)を減給にするなど、職員3人を懲戒処分にした。

 同局によると、運転手は8月、洋光台駅前(同市磯子区)を起終点に循環する107系統を運行した際、偶然乗っていた妻を終点で降ろさず、近くの公道にバスを止めて休憩した上、軽食を妻に買いに行かせて車内で2人で食べたという。

 バスのドアが開いていたため、不審に思った通行人が通報して発覚。ドライブレコーダーの映像などから、休憩する所まで公道を約50メートル移動する際、運転手がシートベルトを締めていなかったことも判明したという。

この記事について、あまりにもバカバカしく思っていたんですが、「あれ?」と考え直しました。もしかしたら、この事件の裏には重大な問題が潜んでいるのではないでしょうか。今回は、私の妄想100%の話です。

他の記事によると、いつも横浜市交通局に意見を言ってくる人(いわゆる「クレーマー」)の通報により、運転手を処分したとのこと。

まあ、ヤフコメでは「こんなことぐらいいいじゃないか」という意見が多かったことが救いなんですが、労働問題の専門家である私(?)が分析します。

この運転手の行為の問題点は以下の3つです。

①バスに奥さんを乗せた

バスの中で奥さんと食事した

シートベルトをしていなかった

因みに、これも他の記事からの情報なんですが、この記事では「公道上にバスを停めた」ということになっていますが、正確には「公道上でのバスの待機場所」ということです。

さて、①と②についてですが、これって「問題なし」じゃないですか。運転手は休憩時間だったということですが、「休憩時間」にカミさんと一緒に食事するのは、なんら差しさわりがないでしょう。

③の「シートベルト」の件ですが、これはいかにも取ってつけたものですね。確かに法違反ですから、処分事項にはなりますが、「ドライブレコーダーで確認した」ということが気になります。横浜市は、多くの職員のドライブレコーダーを確認した上で、「今回の事件の運転手のみシートベルトをしていなかった」から処分したのでしょうか?労働者への処分というのは、警察が行う「違反行為の摘発」とは一線を画すべきです。警察なら「見せしめ」のために、「たまたまみつけた法違反」を処分することは、仕方ないことだと思います。

そんなことを考えていたら、ふと思いました。

「バスの運転手というのは、休憩時間でもバスを離れてはいけない規則になっているのではないだろうか? だから、奥さんとバスの中で食事をするしかなかったんではないか?それを隠すために、こんな処分をしたのではないか?」

もし、こういう状況なら、非は会社側にあります。労働基準法では、「休憩時間の自由利用」を定めていて、休憩時間について場所的な拘束をすることは認められていないからです。

私が、こんなことを考えるのには理由があります。私が現役の時に、あるバス会社に対し、この問題を指摘したことがあるからです。「8時間以上の労働時間中には、1時間以上の自由利用できる休憩時間を与えなくてはならない」この労働基準法の規定について、「保安上の問題で、バス運転手はバスの中で、あるいはバスの傍で休憩をとらなければならない」ということになれば、それは法律上の休憩時間にならずに法違反となってしまうからです。

私の妄想どおりなら、今回の会社の対応も納得いきます。クレーマーの箴言は、そのことを指摘した訳ではないのですが、

「バスの中で、そこでしか休憩をとれないバス運転手が、他人と食事をして何が問題なの?」

という問題提起をしてしまったのです。

そこで、横浜市交通局としては、「シートベルトの件を持ち出して処分をし、お茶を濁した」

これが、私の妄想ですが、真実はどうなんでしょうか?